乳幼児流行の手足口病 静岡県内、患者数全国3番目に多く

AI要約

静岡県内で手足口病の患者数が全国でも多く、乳幼児への感染が主に起きている状況が続いている。

感染対策として、おもちゃの洗浄や家族間での共有を避けるように呼びかけられている。

手足口病は感染しやすい人が多いことが要因で、乳幼児が多く発病するが治癒後予後は良好な疾患である。

乳幼児流行の手足口病 静岡県内、患者数全国3番目に多く

 静岡県内で、主に乳幼児が感染して口や手足に水疱(すいほう)性の発疹が現れる「手足口病」の患者数が全国の中でも多い状況が続いている。患者の多くは衛生観念が発達していない乳幼児のため、医師らは大人ができる感染対策としておもちゃの洗浄や、家族間でのタオル、食器類の共有を避けるよう呼びかける。

 直近1週間の定点医療機関1カ所当たりの患者数は全国が11・72人で、県内は都道府県別で3番目に多い20・90人。7月以降、全国の中でも高い水準が続いている。県感染症管理センターによると、手足口病はコロナ禍に大きな流行がなかったため、今季の流行は感染しやすい人が多いことが要因に挙げられるという。

 「喉が赤いですね。これからポツポツと(発疹が)出てくることもあるので様子を見てほしい」。静岡市葵区の「はとりこどもクリニック」の水野恵介院長は、発熱と頭痛で受診した女児(6)の母親に説明した。同院では7月に入ってから1日に10~20人を手足口病と診断しているが、発疹は感染から数日後に出てくるため受診時に診断がつかないことも少なくない。

 6月に手足口病に感染した同区の男児(4)は、口の中にできた発疹の痛みで飲食が思うように取れなかったという。口の中の痛みを訴える子どもは多く、水野院長は「のどに負担のかからない刺激の少ない食事を取るように伝えている」と話す。

 主な感染経路は飛沫(ひまつ)と接触。回復後もしばらくは便からウイルスが放出されるため、おむつの適切な処理や処理後の手洗いも大切になる。原因となるウイルスへの感染経験がなく免疫がない乳幼児は多くが発病するが、基本的に数日で治癒し、予後は良好な疾患だ。県感染症管理センターの後藤幹生センター長は「過度に心配せずに、大人ができる対策をしてほしい」とアドバイスする。