赤潮被害「対策強化を」 熊本など3県知事、国に緊急要望

AI要約

熊本、長崎、鹿児島3県の知事が赤潮による漁業被害を訴え、農相に緊急要望書を提出。

要望書では被害軽減策として支援強化や技術確立を求め、赤潮被害の深刻さを訴えた。

農相は3県共同の要望を受け止め、対策強化に努める意向を示した。

赤潮被害「対策強化を」 熊本など3県知事、国に緊急要望

 有害プランクトンによる赤潮で深刻な漁業被害が出ている熊本、長崎、鹿児島3県の知事は30日、坂本哲志農相(衆院熊本3区)を農林水産省に訪ね、養殖業者に対する支援の強化や被害軽減につながる技術確立を盛り込んだ緊急要望書を手渡した。

 要望書では、熊本県内での赤潮被害が2021年以降、累計48億円を超えたと指摘。複数年にわたり利益が確保できない事業者の救済措置として、共済金で賄えない損失額を直接穴埋めすることや、被害額を補塡[ほてん]する養殖共済の柔軟な運用を求めた。赤潮の発生メカニズムの解明といった抜本策や、赤潮に強い魚種の開発も要望した。

 熊本の木村敬知事、長崎の大石賢吾知事、鹿児島の塩田康一知事らと面会した坂本農相は「3県共同での要望を重く受け止め、対応策として実現できるよう努力する」と述べた。

 終了後、木村知事は「今年は例年より赤潮被害が広がるペースが速く、3県で既に30億円近い被害が出ている。事業者が漁業を続けられるよう、国の対策強化を求めたい」と語った。

 熊本県のまとめでは今年は6月22日以降、養殖のカンパチやシマアジなど52万1221匹が死に、被害額は12億3453万円に上っている。(中尾有希)