自衛隊基地整備で島の産業はいびつな構造に…市有地売却の違法性訴える住民訴訟、原告は訴えた「農業も観光業も人手は馬毛島へ」 鹿児島地裁口頭弁論

AI要約

鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地整備を巡る住民訴訟で、市有地売却が違法で価格不適正として損害賠償を求める30人の訴訟が行われた。

原告は馬毛島の開発が種子島の産業に影響を与え、不漁や産業の構造の歪みを訴えた。

市長は売却しないという明言をしたにもかかわらず、国との売買契約を締結して問題となっている。

自衛隊基地整備で島の産業はいびつな構造に…市有地売却の違法性訴える住民訴訟、原告は訴えた「農業も観光業も人手は馬毛島へ」 鹿児島地裁口頭弁論

 鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地整備を巡り、防衛省への市有地売却は裁量権を逸脱しており違法で価格も不適正として、市民30人が八板俊輔市長と国に2億3430万円の損害賠償を請求するよう市に求める住民訴訟の第2回口頭弁論が29日、鹿児島地裁(窪田俊秀裁判長)であった。原告は「馬毛島の開発は種子島の住民に大きな影響を与えた」と訴えた。次回は12月24日。

 原告の1人で2015年に種子島に移住した山本伸司さん(72)=同市伊関=は意見陳述で、馬毛島の森の伐採や海への土砂の流入で不漁になったなどと主張。「農業や観光業も工事関係に人手を取られ、島の産業は基地工事によっていびつな構造に追いやられている」と述べた。

 訴状などによると、八板市長は22年8月の住民説明会で「(市有地を)売るということは考えていない」と明言。しかし、11月に国と売買契約を締結するなどした。