被爆2世訴訟、控訴審が結審 12月13日判決 広島高裁

AI要約

広島高裁で被爆2世27人が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審の口頭弁論が結審した。

広島地裁が被爆2世の請求を不当な差別的取り扱いとして棄却した一方、長崎の同様な訴訟も退けられている。

被爆2世らは遺伝的影響や不安について国の施策を求めており、判決は12月13日に出る予定。

 広島の被爆者を親に持つ「被爆2世」が、被爆者援護法の対象外となっているのは違憲だとして、被爆2世27人が国に1人10万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審の口頭弁論が26日、広島高裁(高宮健二裁判長)であり、結審した。

 判決は12月13日。

 この日意見陳述した原告の上野原昇さん(74)は2人目の子どもが脳腫瘍により14歳5カ月で亡くなったと述べた。その上で、「国が被爆2世に対するきちんとした施策を実施しない限り、子や孫の健康状態を気遣う私たちの不安と危惧はこれからもずっと続いていく」と訴えた。

 一審広島地裁は昨年2月、原告側が主張していた原爆放射線被害の遺伝的影響について、「通説的や有力な見解となっていない」と指摘。被爆者と同等の措置を2世に講じないことは「不当な差別的取り扱いであるとは言えない」として請求を棄却した。

 長崎の被爆2世が起こした同種訴訟では、福岡高裁が今年2月、請求を退けた一審長崎地裁判決を支持して原告側控訴を棄却。原告側が上告している。