希少な牛乳をソフトクリームに 平谷村で山地酪農の牧場が直営カフェ【長野県】

AI要約

長野県平谷村の林直秀さん・茜さん夫妻が山地酪農を営み、国道153号沿いに「ペアツリーファームカフェ」をオープン。

ジャージー種の牛を放牧し、乳製品を販売している。

カフェではソフトクリームやカフェラテを提供し、山地酪農の魅力を伝えることを目指す。

移住して開墾した牧場では牛舎がなく、牛を放し飼いしており、乳脂肪分の多いジャージー種の牛を育てている。

乳製品は低温殺菌・ノンホモジナイズで加工し、添加物を一切使用せず、風味を重視している。

今後はカップアイスの開発も進め、山地酪農の可能性を追求している。

展開する直秀さんは、全国的にも珍しい直営カフェを運営し、山地酪農の価値や田舎暮らしの魅力を伝えることを期待している。

カフェは毎週金曜日から月曜日まで営業しており、問い合わせは店舗に直接行うことができる。

希少な牛乳をソフトクリームに  平谷村で山地酪農の牧場が直営カフェ【長野県】

 山林を生かして牛を自然の中に放牧する「山地酪農」を営む長野県平谷村の林直秀さん(34)・茜さん(31)夫妻が26日、道の駅信州平谷向かいの国道153号沿いに「ペアツリーファームカフェ」をオープンさせた。国内でも珍しい飼育方法で育まれた牛から搾った新鮮な牛乳を、ソフトクリームやカフェラテにして提供。「多くの観光客、村の人たちが気軽に立ち寄れるカフェになれば」と願っている。

 林さん夫妻は横浜市出身。岩手県の農場で学んだ山地酪農を独立して実践しようと、2020年に村に移住した。平谷高原スキー場に隣接する8・5ヘクタールの土地を借りて開墾。「ペアツリーファーム」と名付けた牧場には牛舎を設けず、手作りの柵で囲った山林でジャージー種の牛6頭を放し飼いしている。

 直秀さんによると、ジャージー種は搾れる乳の量が少ないことから日本では飼育頭数が少ないが、乳脂肪分が多く甘みがあるのが特徴。体が小さいため放牧に適しているという。

 移住当初から乳牛の飼育と乳製品の加工・販売を一貫して行う6次産業化を目指していた2人は、ほっとパークひらや郷の一角にある旧JAの空き店舗をカフェ兼加工施設として改装。加工方法にもこだわっており、牛乳は低温殺菌・ノンホモジナイズで処理し、本来の風味を極力残している。ソフトクリームは乳化剤などの添加物を一切使用せず、「卵も不使用なのでアレルギーの人でも安心」と強調する。

 ソフトクリーム(500円)とカフェラテ(650円)をメインに、牛乳やコーヒーなどのドリンク、アレンジメニューを店内で提供しているが、カップアイスの開発も進めており、南信州産の果物とコラボする製品を構想中という。

 直秀さんは「牧場主が製品を作って直営カフェで出すことは全国的にも例が少ない」と話し、「カフェをきっかけに酪農、放牧にも興味を持ってもらい、山地酪農の価値と田舎暮らしの魅力を伝えていけたら」と展望した。

 カフェの営業は毎週金曜日~月曜日の午前10時から午後4時まで。問い合わせは同店(電話0265・48・5152)へ。