阿島傘 後継者育成講座で傘づくり開始 20~60代の20人余が挑戦【長野県喬木村】

AI要約

長野県喬木村阿島地区には江戸時代中期から続く和傘「阿島傘」の後継者育成講座が開催され、和傘制作が始まった。

阿島傘は昔は100軒以上の傘屋があり30万本以上を生産していたが、現在は1軒のみとなっている。

伝統の継承を目指す有志が活動してきたが、高齢化が課題となり、技術の継承が危ぶまれているため、後継者育成講座が開催された。

阿島傘  後継者育成講座で傘づくり開始  20~60代の20人余が挑戦【長野県喬木村】

 長野県喬木村阿島地区に江戸時代中期から受け継がれる和傘「阿島傘」の後継者育成講座「本気で和傘を極める」で24日、傘の制作がスタートした。11月まで全9回の講座で、つなぎ、大張り、あたましぼり、油ひきなどと作業を進め、和傘づくりの技術と知識の習得を目指す。

 最盛期には同地区に100軒以上の傘屋があり、年間30万本余を生産していたが、洋傘の普及とともに需要が減少。現在は傘をつくる店舗が1軒のみとなっている。

 村内では、伝統の継承を目指す有志らが「阿島傘の会」を立ち上げ、小学生を対象にした傘づくり教室などの活動を続けてきたが、近年は会員の高齢化が課題に。村地域おこし協力隊を務める和傘職人の小林旅人さんが「傘づくりを教えられる人が減っており、このままでは技術の継承が途絶えてしまう可能性がある」と危惧し、「職人とまではいかなくても、傘づくりを指導できる人材を育てたい」として同講座を初めて企画した。

 「阿島傘づくりの技術を後進に伝える思いのある人」を参加資格に募集したところ、水曜日クラス、土曜日クラスとも定員いっぱいの10人が参加。20代から60代まで、幅広い世代が傘づくりに挑戦する。

 飯田市から参加する女性(20)は「募集案内を目にするまで阿島傘を知らなかったが、ものをつくる職人に興味があり参加したいと思った。将来、傘づくりに携われるよう、一生懸命勉強したい」と話していた。