稲佐の浜、高校生行方不明 離岸流か、過去にも事故 専門家「とにかく浮かび続けることを意識して」

AI要約

離岸流による水難事故が相次ぐ出雲市大社町杵築北の稲佐の浜で、遊泳中の男子高校生が行方不明になった。過去にも同様の事故が発生し、注意喚起が行われている。

稲佐の浜では強い離岸流が見られ、沖に向かって流れる特徴がある。水泳が得意な人でも難しいとされており、事故が続いている。

沖合には弁天島や消波ブロックがあり、大社漁港が突き出しているため、沖向きの大きな流れが発生しやすい。流された場合は焦らずに浮かび続けることが重要である。

稲佐の浜、高校生行方不明 離岸流か、過去にも事故 専門家「とにかく浮かび続けることを意識して」

 出雲市大社町杵築北の稲佐の浜で、遊泳中の男子高校生が行方不明になった事故現場付近は、海岸から沖に向かって流れる離岸流が発生しやすいという。昨夏も事故が発生しており、関係者が注意を呼びかけている。

 離岸流は、海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとするときに発生する強い引き潮で、水泳が得意な人でも逆らうのは難しいという。

 今回の現場付近では、昨年7月にも海水浴中の親子が沖に流されて救助されるなど、事故が相次いでいる。

 水難事故に詳しい長岡技術科学大(新潟県長岡市)の犬飼直之准教授(海岸工学)は、稲佐の浜には弁天島や消波ブロックがある上、大社漁港が沖に突き出すように延びており、「沖向きの大きな流れが起きやすい地形だ」と分析する。

 離岸流は100メートルほど沖合まで続く。流されてしまった場合、浜までの距離感がつかめなくなるため、泳いでも戻れるかどうか不安になり、焦りから大きくもがいて疲労する。無理に泳ごうとせず、「とにかく浮かび続けることを意識してほしい」と呼びかける。

 また、砂地の海中は急に深くなっている場所があるとして、「深みにはまって焦ると、海水を飲み込むなどして溺れるリスクが高まる」と指摘。「腹部より深い場所に行かないよう注意すべきだ」と警鐘を鳴らす。

 境海保によると、島根県内では昨年、遊泳中に12人が事故に遭い1人死亡している。