[山口県]機関車、一番前の車軸折れる 貨物列車脱線 新山口駅で復旧作業続く

AI要約

車輪が折れて脱線したJR新山口駅の貨物列車事故を調査中の運輸安全委員会が車軸の損傷を確認

調査官が現地で線路の損傷状況を調査し、原因究明のために証拠を収集中

復旧作業が続く中、JR貨物は同形式の車両や車軸検査を進める

[山口県]機関車、一番前の車軸折れる 貨物列車脱線 新山口駅で復旧作業続く

 JR新山口駅構内で貨物列車が脱線した事故から一夜明けた25日、JR西日本とJR貨物は復旧作業を続けた。一方、国土交通省から現地へ派遣された運輸安全委員会の鉄道事故調査官は、脱線した電気機関車の一番前の車軸が折れていたことを明らかにした。

 山口市小郡令和の新山口駅で報道陣の取材に応じた平藤優一鉄道事故調査官によると、機関車の一番前の車輪が線路の左側に脱線し、左右の車輪をつなぐ車軸が左側の車輪付近で折れているのを確認した。現場付近の線路と枕木には、脱線して車輪が通過したことによるとみられる傷が付いていた。原因は「調査中」とした上で、「いろいろな角度から分析をして集めた証拠を基に明らかにしたい」と述べた。

 調査官は2人で、事故が発生した24日の夜に現地入りして調査を始めた。25日は午前9時ごろから線路の損傷状況などを調べた。運転士から当時の詳細な状況を聞いて調べを進める。

 脱線した機関車は25日、大型クレーン車を使って線路に戻す復旧作業が行われた。

 JR西日本中国統括本部によると、26日は山陽線の大道―厚東駅間で始発から運転を見合わせ、新幹線とバスによる代行輸送を行う。徳山―大道駅間と厚東―下関駅間は運転本数を減らして運転する。山口線は新山口―山口駅間で通常よりも本数を減らして運転を再開する。山口―益田駅間は始発から運転を見合わせる。特急「スーパーおき」は新山口―益田駅間で終日運転を取りやめる。

■同形式の車両や同種の車軸検査 JR貨物

 JR貨物は25日、新山口駅構内で脱線した貨物列車の電気機関車の車軸が折れていたことを受け、車両の検査、点検を実施すると発表した。

 JR貨物広報室によると、脱線車両と同じ整備箇所で同様に組み立てられた車軸を搭載する車両6両の検査を25日までに実施。脱線車両と同時期に製造された車軸を組み込んだ新製車両3両の検査を実施する。脱線車両と同じ「EF210」形全車両の車軸の検査を優先的に行い、同種の車軸を搭載した機関車の点検を実施する。