救急搬送も警戒アラートも昨年の1.6倍…猛暑続きで高まる熱中症リスク 予防には「夜間の空調管理も大事」と専門家 鹿児島県内

AI要約

鹿児島県内で猛暑による熱中症が深刻化しており、高齢者を中心に救急搬送が急増している。

専門家は水分補給や夜間の空調管理を呼びかけており、暑さ指数にも注意が必要だ。

新型コロナウイルス感染の拡大との関連も指摘されており、注意が必要だ。

救急搬送も警戒アラートも昨年の1.6倍…猛暑続きで高まる熱中症リスク 予防には「夜間の空調管理も大事」と専門家 鹿児島県内

 猛暑が続き、鹿児島県内で熱中症のリスクが高まっている。25日は午後4時までに26人が熱中症疑いで搬送され、垂水市では80代女性が屋外で倒れているのが見つかり、重症と判断された。総務省消防庁のまとめによると、15~21日の1週間に県内で救急搬送された人は昨年同時期の約1.6倍に上る。専門家は「こまめな水分補給や夜間の空調管理を」と警戒を呼び掛ける。

 消防庁が23日公表した15~21日の速報値では、県内で救急搬送された人は255人で、昨年同時期を95人上回る。65歳以上の高齢者が140人と半数を超え、症状別では軽症者が7割を占めた。発生場所は敷地内を含む「住居」が4割近くで最多だった。

 県内は暑さが続く。気温や湿度、日射などから算出される「暑さ指数」に基づき、気象庁と環境省が出す「熱中症警戒アラート」は今月に入り、奄美地方を除く県内に21回発表されている。こちらも昨年同時期の約1.6倍だ。

 熱中症は高温・高湿度の環境で体温調節がうまくできず、めまいや頭痛、意識障害などの症状が現れる。

 主に重症患者を受け入れる鹿児島市立病院救命救急センターの奥田龍一郎医師(34)は「最も重症になると多臓器不全に陥って透析が必要になったり、死に至ったりするケースもある」と警鐘を鳴らす。

 県内では新型コロナウイルス感染が拡大している。コロナで体調を崩す中で熱中症になった例や、発熱や体のだるさから熱中症を疑ったらコロナに感染していた例もあるという。

 奥田医師は「喉が渇く前に水分を取り、炎天下に出る際は徐々に暑さに体を慣らすことが大事。『暑さ指数』をチェックし、夜間もエアコンや扇風機を適切に使ってほしい」と訴える。