第1四半期の英貯蓄率11.1%、コロナ禍以降高水準続く

AI要約

英国の家計の貯蓄率が高水準で推移しており、新型コロナウイルスのパンデミック以降、急速に上昇している。

家計の余剰貯蓄は1,430億─3,380億ポンドの範囲にあり、英国の家計は消費ではなく貯蓄に重点を置いている。

貯蓄率の上昇は金利や収入の変化、失業への不安など多くの要因によるものであり、今後も続くと予想される。

[ロンドン 22日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)は22日、家計の可処分所得に占める貯蓄率が第1・四半期は11.1%だったと発表した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)初期に27.4%に急上昇した時期を除けば、2010年以来の高水準となる。

パンデミック以降、英国の家計貯蓄率は急速に上昇しており、同局はこの傾向は今後も続くと予想している。

英国家計の余剰貯蓄はパンデミック以降、1430億─3380億ポンド(1850億─4370億ドル)の範囲にあり、ONSは「英国の家計は、支出が家計消費と経済成長を支える重要な要素となっている米国とは異なり、貯蓄を使うことに消極的だ」との見解を示した。

ONSの分析から、19年以降に上昇した貯蓄率のうち、40%以上は金利上昇と収入予想の変化を反映していることが示唆される。

貯蓄率の上昇分の10%未満は、失業への不安に起因する予防的貯蓄で、上昇分の約半分は「その他の要因」によるものとされる。ONSよると、これには失業率や金利とは直接関係のない地政学的な懸念や経済的な不安が含まれる可能性があるという。