大河ドラマになった戦国武将なのに銅像なかった毛利元就 安芸高田市の有志が寄付募り建立

AI要約

広島県安芸高田市吉田町にある市歴史民俗博物館で、戦国武将毛利元就の銅像がお披露目された。

銅像はクラウドファンディングや寄付により建立され、元就像は全国初で地元に銅像がないことから企画された。

墓前祭や毛利元就墓所の倒木被害に関する活動も行われ、地元の有志や関係者の協力で支援が行われた。

大河ドラマになった戦国武将なのに銅像なかった毛利元就 安芸高田市の有志が寄付募り建立

 広島県安芸高田市吉田町ゆかりの戦国武将毛利元就の銅像が完成し、居城とした旧郡山城の麓にある市歴史民俗博物館の敷地でお披露目された。偉業を後世につなごうと、住民有志がクラウドファンディング(CF)や寄付を募り建立した。この日は元就の命日で、郡山では墓前祭も営まれた。

 銅像建立は毛利の里安芸高田再生委員会の企画で、元就像は全国初。高さ2・2メートルの御影石の台座に据えられた1・7メートルの座像は、鎧(よろい)をまとい、腰に刀を差して軍配を掲げる。肖像画などを基に、50代での厳島合戦時を再現。郡山を背後に厳島の方角を見る形で設置したという。

 委員会は地元に銅像がないことから昨年12月~今年2月にCFを実施。直接の寄付を含め計約1600万円が集まった。

 式では、「いざ出陣」のかけ声とホラ貝の音に合わせ、藤本悦志市長や防府市の毛利報公会の毛利元敦会長(84)たち6人が除幕。集まった関係者や寄付者たちから大きな歓声や拍手が起こった。

 藤本市長は「市のシンボルになることを願う」とあいさつ。毛利会長は「郡山城を見上げるゆかりの地に、幾多の戦場を駆けた在りし日の銅像が作られたのは喜ばしい」と支援に感謝した。

 委員会の河野芳嘉代表(69)=吉田町=は「市民に誇りと勇気を、子どもに夢と希望を与える象徴になって」と期待した。

毛利元就の没後453年墓前祭 墓所保存へ決意

 毛利元就の没後453年の墓前祭は、6月に発生した元就墓所の倒木被害に伴い、一段下の毛利一族墓所の境内地であった。毛利家と関わりの深い広島県北広島町や山口県防府市などの関係者や一般の人たちも参列し、偉業をしのんだ。

 地元住民が中心の毛利奉賛会の主催。田丸道男会長(75)は「元就の百万一心や三矢の訓(おしえ)は協同一致の精神を説き、世代を超えて市民に生き続けている」とあいさつ。墓前祭や墓所の保存を後世に継ぐ決意を示した。続く神事で藤本悦志市長や北広島町の箕野博司町長、毛利報公会の毛利元敦会長(84)たちが玉串を奉納した。

 墓前祭は毎年、命日の旧暦6月14日に当たる7月16日に営まれる。

倒木被害の灯籠 修繕へ募金活動 郡山城史跡ガイド協会

 国史跡・郡山城跡にある毛利元就墓所の倒木被害を受け、地元有志の郡山城史跡ガイド協会(石飛慶久会長)は、市歴史民俗博物館に募金箱を設置した。口座も開設し、支援を求めている。集まった全額を市に寄付し、修繕費用に充てる。

 6月15日の倒木で墓所内に立つ江戸、大正期の石灯籠4基が倒壊した。市教委は文化庁に毀損(きそん)届を提出。国や毛利家などと復旧方法を検討している。

 受付口座は広島銀行吉田支店で、口座番号は普通預金3134436。名義は郡山城史跡ガイド協会。