「ペロっとしてみたら?」魔法の声かけ【給食が怖い #3】「もうちょっと頑張ろうか」何気ない言葉との違い…“アドバイス”より“聞いてあげる”こと

AI要約

こうたろうくんは、給食を残さないという指導から会食恐怖症になってしまい、学校生活が重苦しくなる。

給食の時間が怖いと感じるようになったきっかけは、先生の励ましの言葉とプレッシャーによるもの。

子どもに対しては魔法の声かけが重要であり、食事を楽しく食べる環境を作るために工夫が必要。

「ペロっとしてみたら?」魔法の声かけ【給食が怖い #3】「もうちょっと頑張ろうか」何気ない言葉との違い…“アドバイス”より“聞いてあげる”こと

給食が食べられず、学校生活全体が重苦しい日々となっていった子どもたち…。教師が何気なくかけた励ましの言葉が重圧となっていき、やがて会食恐怖症になってしまうといいます。残さず食べさせる “完食指導” がもたらす深刻な悩みとはどんなものだったのでしょうか。こうたろうくんは、給食が食べられない悩みから、誰かと一緒に食事をすることに強い不安や緊張を感じるようになっていきました。

富山市の中学校に通う、こうたろうくん13歳。

小学校1年生の途中から給食の時間が怖いと感じるようになりました。

こうたろうくん:「給食が始まる10分ほど前から、体が落ち着かなくなるんです。ドキドキもするし、食べたいと思わなくなって、のどを通らなくなるんです」

きっかけは「給食を残さない」という先生の指導でした。

こうたろうくん:「残したらダメみたいな感じの先生でした。ある時、友達が頑張って食べなさいって言われていて、掃除の時間になっても後ろで食べているのを見て、怖くなったんです。それから給食の時間になると気が重くなるというか…」

そんな重苦しい学校生活が続き、2年生になったこうたろうくんは、給食が始まる前に帰宅するようになりました。

母親の里奈さんは、当時の様子を次のように語ります。

母親 里奈さん:「学校に行きたくないと本人が私に言ってきて、理由の一つが、給食が食べられない、食べにくいということでした。給食当番の友達によそってもらった量が予想以上に多くて、先生に食べられないとか、残してもいいですかと言っていたそうです。先生が悪気なく、もうちょっと頑張ろうとか声をかけるんですが、それが本人にはプレッシャーになってしまったんだろうなと思います」

■きっかけは「ペロッとしてみたら」魔法の声かけ…

子どもたちを励まそうと思ってかけた何気ない先生の言葉が、こうたろうくんにとっては重圧になっていたのだろうと里奈さんは推測します。

教育者向けに給食指導の資料を無料で提供している『きゅうけん|月刊給食指導研修資料の編集長を務める山口健太さんは、食べられない子どもに対しては 、声かけにも工夫 が必要だと指摘します。つまり “魔法の声かけ” があるというのです。