日常へ被災地歩む 魚と再会、笑顔 のとじま水族館、半年ぶり再開

AI要約

能登半島地震で被害を受けたのとじま水族館が再開し、ペンギンや魚たちとの再会を喜ぶ家族連れの姿が見られた。

施設の一部は損傷して再開を見送ったが、210種7500匹の展示や再オープンセレモニーで地元の祝福が行われた。

再開には多くの応援があり、入館料にお得なサービスも提供されるなど、動物たちにとっても来場者にとっても楽しい場となっている。

日常へ被災地歩む 魚と再会、笑顔 のとじま水族館、半年ぶり再開

 能登半島地震で被害を受けた七尾市ののとじま臨海公園水族館が20日、半年ぶりに営業を再開した。石川県内外の施設に避難していたペンギンなどが愛らしい姿を見せ、家族連れが水槽の中を泳ぎ回る魚たちとの「再会」に笑顔を広げた。能登島では県能登島ガラス美術館や道の駅の一部も再開し、能登の観光復興に期待を膨らませた。

 イワシ約1万匹やアザラシがいた「海の自然生態館」など一部施設は設備が損傷しており、再開を見送った。震災前は400種2万2千匹がいたが、210種7500匹が展示された。人気のジンベエザメ2匹などが犠牲になった「ジンベエザメ館」ではエイなどが泳ぎ、家族と訪れた七尾市能登島曲町の小山恵音さん(9)は「たくさんの魚に会えて良かった」とほほ笑んだ。

 再開セレモニーでは馳浩知事らがあいさつし、地元の園児や出席者が青空に風船を放って再オープンを祝った。震災直後の被害状況や復旧作業を紹介する写真が並び、津幡町の市川裕二さん(56)は「いろいろな苦労があっただろう。ジンベエザメなども戻ってくればうれしい」と話した。

 のとじま水族館は元日の営業中に起きた地震で配管やボイラーが損傷し、水槽の水温が維持できなくなった。約90種約3400匹が犠牲になり、イルカなど9種63匹が8都府県の施設に避難。これまでにペンギンやウミガメなど計32匹が戻った。

 夏場の移送が困難なイルカは秋以降に移送される予定。イルカ・アシカの飼育を担当する釘宮ひなたさん(25)は「さまざまな応援を受けて再開できた。多くの人に生き物を見てほしい」と話した。

  ●当面、子ども無料

 入館料は当面、通常510円の子どもが無料、1890円の高校生以上は千円となる。