「免停講習の休憩時間に…」大麻汚染 手軽な入手とまん延の実態 30代男のケース【裁判傍聴記】

AI要約

大麻取締法違反で逮捕された男が、日常生活で大麻に関わる経緯を語る。

大麻が若者の間で広まっている背景には誤った認識と入手しやすさがある。

男は父親との共同生活の中で大麻を取り扱い、薬物犯罪の入り口が日常に潜んでいる現実が浮き彫りになる。

「免停講習の休憩時間に…」大麻汚染 手軽な入手とまん延の実態 30代男のケース【裁判傍聴記】

「免停講習の休憩時間に『いくらで仕入れてる?』って聞かれて…」

その男は初対面の人間と《大麻の話》で仲良くなり譲り渡したと語った。

感じたのは犯罪意識の薄さ、そして薬物への入り口が日常生活の至る所にある現状だ。

ことし4月、長崎県で30代の男が大麻取締法違反容疑で逮捕された。

警察庁によると2023年の1年間に大麻で検挙されたのは6482人。

過去最多を更新し、20代までの若者が全体の74%を占めた。

大麻がまん延している背景に指摘されているのは「危険ではない」という誤った認識、そして「入手の容易さ」だ。

大麻取締法違反の罪に問われている男も、犯罪に手を染めた一つの理由に手軽な入手経路をあげた。

薬物犯罪への入り口は、日常の中にどんな顔をして潜んでいるのか?

保釈中の被告の男は、父親と一緒に法廷に入ってきた。

弁護士の横に座り、緊張しているのか背もたれに寄りかからずキョロキョロと法廷を見回していた。

■吸ってみる?最初は「吐いた」

長崎県内在住。飲食店従業員の30代。妻と子供2人は福岡市に住み、自身は父親の飲食店を継ぐため実家で父親と2人で暮らしているという。

高校中退。窃盗の前科2件。

男はことし4月、父親と2人で住む自宅で大麻である植物片約4.630グラムと液体約4.343グラムを所持。

さらに長崎市の駐車場で大麻である液体約0.652グラムを、代金1万5000円の約束で譲り渡した大麻取締法違反の罪で起訴されている。

大麻は様々な精神症状や幻覚作用・記憶への影響を引き起こすだけでなく、脳にも影響を与える違法薬物だ。

男は起訴内容を認めた。

続く検察官の冒頭陳述そして本人尋問で、男が大麻におぼれていった経緯が明らかになっていった。

男が最初に大麻を吸ったのは20歳の時。

職場の先輩から「吸ってみる?」と言われ1口吸った。

具合が悪くなって吐いたという。

男はその後、薬物と関わることはなかった。

しかし2023年8月頃、知人に同じ様にすすめられた。

「一口吸ってみます?」