柏市立病院、2029年に新病棟開院 240床へ拡大、18科体制に 小児医療も充実 現地建て替え基本設計

AI要約

柏市は、老朽化が進む市立柏病院の建て替えを進め、新病棟を2029年に開院予定とする基本設計を発表した。

病床数を現在の200床から240床に拡大し、新たに救急科を設置するなど18科体制を目指す。

設計・工事費は約283億円かかり、開院後の収支シミュレーションも行われている。

柏市立病院、2029年に新病棟開院 240床へ拡大、18科体制に 小児医療も充実 現地建て替え基本設計

 柏市は、老朽化が進む市立柏病院の建て替えを現地で行い、新病棟を2029年に開院予定とする基本設計を発表した。病床数を現在の200床から240床に拡大し、新たに救急科を加えて18科体制とする。小児医療について病床数を現状の5倍の10床とするなど充実を図り、教育拠点となる救急ワークステーションを東葛北部2次医療圏で初めて設置し救急隊員の常時研修も可能としている。設計・工事などの事業費全体で約283億円を見込む。

 同病院は、国立柏病院として1976~78年に建設された布施地区の3棟の譲渡を市が受けて93年に開院。老朽化により、2014年に柏の葉地区への移転建て替え計画が表明されたが、布施地区住民らの反対が強く、凍結された。21年に初当選した太田和美市長が公約の現地建て替えを推進し、今年8月に基本設計が決定された。

 基本設計によると、新施設は「病棟」(7階)「外来棟」(3階)「保育所棟」(1階)の3棟で構成され、延べ床面積はほぼ2倍の約2万1300平方メートルとなる。救急科には常勤医を配置、救急の夜間外来にも個室7室を用意する。手術室4室は将来のロボット手術にも対応できる十分な広さと床荷重を確保する。救急外来で小児の発熱外来を受け付けるなど小児医療体制を充実させるほか、「保育所棟」では新たに定員3人の病時・病後児保育も担う。

 開院時期は「病棟」が29年3月ごろ、「外来棟」「保育所棟」が31年秋ごろを予定。病院敷地内には介護老人保健施設「はみんぐ」2棟などが併設されており、これらの多くを敷地内で順次解体・移設する工事に今年11月から着手する。

 総事業費のうち概算工事費は約225億3千万円。このうち約99億6千万円ずつを、市一般会計予算からの支出と、指定管理者の市医療公社の負担で賄う見込み。収支シミュレーションでは、40年度に経常収支の黒字化、44年度に医業収支の黒字化を見込んでいる。