「座って10秒で出てくる」 安くて早くてうまい沖縄そば 懐かしさとコクのあるスープは唯一無二

AI要約

なかよし食堂は石垣市にある老舗そば屋で、創業から56年続く。

高速かつ美味しい調理で地元客を満足させており、家族経営で賑わう店内は学生や観光客にも愛されている。

八重山そばやしょうが焼き、豆腐チャンプルーなどのメニューがあり、特にぜんざいはおすすめのデザートとして人気。

「座って10秒で出てくる」 安くて早くてうまい沖縄そば 懐かしさとコクのあるスープは唯一無二

[胃心地いいね](786)なかよし食堂 石垣市新栄町26の21

 日本復帰前、1杯5セントで始めたそば屋の原点は「安くて、早くて、うまい」。ある地元客は「早いときは座って10秒でそばが出てくる」と語る。単に調理が早いだけでなく、入店した常連客を見て何を注文するのかが分かるから。地域の胃袋と心を満たし、今年で創業56年となる。

 2代目店主の黒島善一さん(61)と妻の留利子さん(60)、善一さんの姉の前原浩美さん(63)、妹の新城利津子さん(57)、娘紅花(もか)さん(27)の家族で経営する。善一さんの母で、他界した登志子さんが義理の妹と「仲良く続けられれば」と願い、「なかよし食堂」との店名で始めた。開店当初は石垣中学校の近くにあったため、お昼時は学生であふれかえっていたという。

 看板メニューは八重山そば(600円)。リーズナブルだが味は本格派。豚骨からだしを取り、しょうゆで味を調える。懐かしさの中にしっかりとしたコクがある唯一無二のスープ。多いときは1日でずんどう鍋に3回作る。

 スープによく合う丸麺も好評。実は日曜日だけ他の日とは製麺所を変えており、麺が微妙に違う。一部の常連さんのひそかな楽しみになっているとか。

 そば以外もしょうが焼き(700円)や豆腐チャンプルー(700円)が人気だ。暑い日には食後のデザートにぜんざい(300円)もお薦め。午前7時から4時間煮詰めて作る金時豆を頬張ると、優しい甘みが口いっぱいに広がる。そばを食べて汗をかき、ぜんざいを食べてクールダウンする客もいる。まるでサウナのような楽しみ方だ。

 観光客にも知られるようになり、休日は開店前から行列ができることも。店主の善一さんは「これからも地元の客を大切に、変わらない家庭料理を提供していきたい」とほほ笑む。(八重山支局・矢野悠希)

 営業時間は午前11時半から午後5時半(ラストオーダーは午後5時)。水曜と土曜が定休日。駐車場あり。電話0980(82)3887