7月17日は「喜多方ラーメンの日」 市役所ラーメン課長、熱く魅力発信

AI要約

喜多方市では喜多方ラーメンの後継者不足に直面し、新たに「喜多方ラーメン課」を設置して魅力発信に取り組んでいる。

地元の要望からラーメン課が誕生し、後継者不足の解決と情報発信を重点的に行っている。

喜多方ラーメンの日の記念イベントやコンテストなどを通じて、喜多方ラーメンの魅力を広め、次世代に継承したいという取り組みが行われている。

7月17日は「喜多方ラーメンの日」 市役所ラーメン課長、熱く魅力発信

 日本三大ラーメンの一つに数えられる喜多方ラーメンを提供する店舗が後継者不足などの課題に直面する中、福島県喜多方市は4月に新たに発足した「喜多方ラーメン課」を中心に魅力発信に奮闘している。昨年には毎年7月17日を「喜多方ラーメンの日」に制定。登録1周年の17日には多彩なイベントを企画するなど、官民一体となった取り組みを進める。

 ラーメン振興を担う課の設置は自治体の組織規則に定められた正式な課としては全国初という。観光交流課と喜多方ラーメン課、そば課の課長を兼務する瓜生昭彦さん(55)は「まちを歩いていると『ラーメン課長だ!』と声をかけられ、市民のラーメン課に対する期待の大きさを感じる」と気を引き締める。

 同市にラーメンブームが到来したのが1980年代。ラーメンを提供する店が増えた。しかし近年は担い手の高齢化や後継者不足などの問題を抱えて減少傾向にあり、2010年ごろまで110ほどだった店舗数は90店ほどに減少した。昨年9月には「喜多方ラーメン御三家」の一つとして知られた創業76年の老舗が閉店し、地元に衝撃が走った。

 「喜多方ラーメンを専門として力を入れる部署が必要だ」。危機感を抱いた地元からの要望を受け、誕生したのがラーメン課だ。瓜生さんは「情報発信と後継者不足の解決が軸。中でも『後継者はいないが、味を守っていきたい』という店舗の事業承継に力を入れたい」と語る。

 市は喜多方ラーメンの日の制定から1周年となる17日に向けて動画・写真コンテストを企画した。喜多方観光物産協会は喜多方ラーメン大使を務めるお笑いコンビ「ドリルフィンフィンズ」の凱旋(がいせん)ライブ、会津喜多方商工会議所の喜多方ラーメンブランドプロジェクトは店舗を巡るシールラリーを展開する。

 「喜多方ラーメンの魅力が広がれば働きたいという人も出てくるはずだ」。喜多方ラーメンを提供する飲食店でつくる蔵のまち喜多方老麺会理事長で来夢社長の花見拓さん(41)は「市と連携して喜多方ラーメンの魅力発信に努めたい」と意気込む。(阿部二千翔)

 喜多方ラーメンの日の制定1周年を前にした記念イベントが13日、喜多方市で行われた。関係者がさらなる発展を誓った。 遠藤忠一市長が「喜多方ラーメンを次世代にバージョンアップしながらつないでいきたい」とあいさつした。 喜多方市の「喜」を草書体で表すと「七」が重なることにちなみ、来場者77人が、ラーメンをつるしたテープをカットした。