米作りをする人が居なくなった休耕田で幼稚園児たちが田植え「地域の農地はみんなで守ろう」【岡山・備前市】
岡山県備前市で、高齢化と農業人口の減少により休耕田や耕作放棄地が増えている中、幼稚園児たちが田植えを行う活動が行われました。
地元のライオンズクラブが主導し、子供たちは無農薬の自然栽培でお米作りに挑戦しました。
未来の農業を支える取り組みに加えて、地元の人たちも参加して地域の活性化を目指しています。
高齢化が進み採算もとれないと中山間地を中心に農業をする人が減り続け、農作物を作らない耕作放棄地も増えています。米作りをする人が居なくなった岡山県備前市の休耕田で、きょう(10日)幼稚園児たちが田植えを行いました。
「どうぞ植えてください」
お米作りをする人がゼロになった備前市三石の守石地区に子供たちの歓声が響きました。「地域の農地はみんなで守ろう」と地元のライオンズクラブが地域の人達に声を掛け、地元の幼稚園児や小学生らが昔ながらの手植えによる田植えに挑戦しました。
肥料も使わない無農薬の自然栽培でおコメを作ろうと、子どもたちは泥だらけになりながら稲の苗を1株1株植えて行きます。
田植えはもちろん田んぼに入ること自体も初めてだった春川正明コメンテーターも、子どもたちと一緒に田植えをやってみました。
(春川正明コメンテーター)
「自分が植えた米が育つの楽しみですね」
(参加した子ども)
「楽しい」「難しくない。簡単」
「やっている人は 大変だと思うので自分が大人になったらやってみたい」
この地区でも休耕田や耕作放棄地が増え、「もう仕方がない」というあきらめも広がっているということです。中山間地での農業を守るために「外国人兼業農家」という仕組みづくりの支援もこのイベントの目的の一つです。
子どもたちは自動操舵の田植え機にも乗ってスマート農業も体験しました。
(備前三石ライオンズクラブ 北川昌昭会長)
「皆さん、田んぼはもういい 儲からないと後ろ向きな考えがあるが、こうやって子供たちが田植えして収穫して子供たちが給食で食べると、もうちょっと頑張らなければという大人たちが増えれば」
田んぼの中に隠された野菜を見つける「宝さがし」やウナギのつかみ取りなども行われ、見守る地元の人たちも盛り上がっていました。
来年以降も商工会や消防団など地元の若い人たちにも声をかけて、息の長い取り組みを目指すということです。