輪島朝市「待ってた」市内商業施設で毎日「出張」

AI要約

輪島朝市が大規模火災から復活し、地元客や商店主が喜ぶ姿が見られた。

開催場所は火災から1キロ南の施設で35店舗が出店し、市長も復興を支援するとあいさつ。

地震以来初めて顔を合わせる人々が再会を喜び、朝市の雰囲気が良いと評判。

輪島朝市「待ってた」市内商業施設で毎日「出張」

  ●地元客、握手で再会喜ぶ 

  ●復興へ大きく前進

 能登半島地震で大規模火災に見舞われた輪島朝市が10日、輪島市中心部の商業施設で復活した。地震以来、石川県内外で出張朝市を行ってきたが、毎日営業する拠点は初めてとなる。会場には朝市のイメージカラーであるオレンジ色のテントとのぼりが立ち、野菜や魚介類、輪島塗などが並んだ。節目の日を心待ちにしていた商店主や地元客は、復興へ大きく前進したと喜んだ。

 朝市が開催されたのは宅田町の「パワーシティ輪島ワイプラザ」で、大規模火災が起きた朝市通りから約1キロ南にある。普段は催事などに使われるスペースに、朝市組合員の35店舗が並んだ。

 午前9時の営業開始に先立ち、坂口茂市長が「復興に向けてこれからも支援するので一緒に頑張っていきましょう」とあいさつした。

 開店直後から大勢の地元客が訪れ、新鮮な食品や工芸品などを品定めした。地震以来、初めて顔を合わせる店主と客もおり、近況を報告したり、握手したりして再会を喜ぶ姿もみられた。イカの塩辛などを買い求めた輪島市河井町の古田保枝さん(79)は「待ってましたという感じ。やっぱり朝市はいい」と笑顔を浮かべた。

 冨水長毅(とみずながたけ)組合長(55)は「想像以上に雰囲気のよい朝市になった。地震前の開催場所での朝市再開を最終目標に頑張っていきたい」と話した。

 営業時間は午前9時~午後7時で、商品が売り切れれば終了する。定休日や開催期限はなく、当面は営業を続ける。

 ★輪島朝市 輪島市中心部で開かれる朝市。千葉県勝浦市、岐阜県高山市の市とともに「日本三大朝市」と称される。奈良時代後期から平安時代初期に神社の祭礼で行われた物々交換を起源とし、千年以上の歴史があるとされる。「朝市通り」と呼ばれる商店街に露店が並び、地元の海産物や輪島塗などを購入できる。人気の観光スポットでもあり、市によると新型コロナウイルス禍前の2019年には52万人が訪れた。