養殖ブリに赤潮被害 13万7000匹、総額1億円超 ピーク越えるも、雨が続き気温上がれば再び増殖の恐れ 鹿児島県内

AI要約

鹿児島県は八代海で赤潮により養殖ブリに被害が発生し、死に至った数は過去最大の13万7070匹で、総額は1億334万円に達した。

原因は有害プランクトンであるシャットネラ・アンティーカであり、熊本県側では依然として多く存在しており、被害は拡大の恐れがある。

鹿児島県は漁協や熊本県との連絡体制を強化し、被害防止対策を継続する方針である。

養殖ブリに赤潮被害 13万7000匹、総額1億円超 ピーク越えるも、雨が続き気温上がれば再び増殖の恐れ 鹿児島県内

 鹿児島県は9日、八代海で発生している赤潮により、新たに養殖ブリ11万3070匹が死に、6850万円の被害が出たと発表した。同海域では6月10日から赤潮警報を出しており、被害は計13万7070匹、総額1億334万円となった。1億円を超えるのは2019年以来。

 東町漁協(長島町)から報告があった。熊本県側に近い地点の被害が大きく、内訳は稚魚中心の1年魚が8万3650匹(2166万円)で7割を占めた。出荷前の2年魚は2万9420匹(4683万円)。

 原因となった有害プランクトン「シャットネラ・アンティーカ」は、ブリ類の致死細胞密度が1ミリリットル当たり30~50細胞で魚毒性が極めて強い。6月下旬から細胞数が急増し、いけすに近寄れない状況が続いた。

 同漁協によると、今月2~4日ごろに死んだとみられ、先週末にかけ被害が明らかになった。水口和人参事は「被害を最小限に食い止めるため警戒を続ける。町や鹿児島県と共に対策に取り組む」と話した。

 細胞数は減少傾向にあるものの熊本県側では依然として多く、シャットネラを含め4有害種の赤潮警報を発出中で、5日時点でカンパチやシマアジなど26万6630匹が死に、被害額は7億7559万円に上っている。今後は雨予報が続き、その後気温が上昇すれば再び増殖する恐れがある。

 鹿児島県は漁協や熊本県との連絡体制を強化し、漁協も様子を見ながら餌止めや粘土散布など被害防止対策を続ける。