廃線軌道を自転車で「ガッタンゴー」絶好調、客数過去最高ペース アジア圏伸長、岐阜・飛騨市

AI要約

旧神岡鉄道の廃線軌道をたどる自転車レールマウンテンバイク「ガッタンゴー」の客数が増加中で、過去最高を更新している。

アジア圏を中心にインバウンドも伸びており、広域観光の一部として注目を集めている。

RMTBは3~11月営業で、今後のコース拡張やイベントを検討中。

廃線軌道を自転車で「ガッタンゴー」絶好調、客数過去最高ペース アジア圏伸長、岐阜・飛騨市

 旧神岡鉄道(岐阜県飛騨市神岡町)の廃線軌道を自転車でたどるレールマウンテンバイク(RMTB)、通称「ガッタンゴー」の客数が今季、過去最高だった昨年を越えるペースで推移している。天候に恵まれたことに加え、飛騨地域の広域観光のコンテンツの一つとして認知度が高まってきたことが要因。アジア圏を中心にインバウンドも伸びており、一昨年から続く「快走」は今年も止まりそうにない。

 連続するトンネルを抜けると、澄み切った川の流れと木々の緑が視界に飛び込んでくる。「おおっ」「わあ、きれい」。都会では蒸し暑い季節でも、山深い県最北端ではからっとした陽気となり、にじむ汗もむしろ快適なほど。事務局によると、ゴールデンウイーク直後から夏休み期間の予約が順調に入っており、今はキャンセル待ちの状況という。

 利用客数は、コロナ禍が落ち着き前年比4割増と伸ばした22年に続き、23年も7万4391人と2年連続で過去最高を更新。今年は雪の降った3月こそ80%に落ちたが、以降6月まで前年比10~25%増で推移している。運営するNPO法人神岡・町づくりネットワーク(同町)の関係者は「天候が良かったので」と慎重に捉えるが、レールを所有する市は「着実に認知度が高まってきた。口コミでの広がりが大きい」と分析する。

 インバウンドにも徐々に浸透し、国内客が9割ほどに対し、中華圏を中心に1割に近づいているという。一大観光地、高山市、大野郡白川村の観光客に対する口コミという地道な誘客が功を奏している形だ。高山市のバス会社もRMTBを組み入れたツアーを数年前につくり、数字を伸ばしているという。

 RMTBの営業は3~11月。「まちなか」(2・9キロ)と「渓谷」(3・3キロ)の2種類のコースがある。富山県寄りの渓谷コース、漆山駅以北を活用し富山市の猪谷駅付近にまで延伸する構想もあり、コンテンツの充実に期待も集まるが検討の段階という。トンネルが多くを占め、市担当者は「安全性をどう確保するか難しいところもある」と実現にはハードルがいくつもあることを示唆する。まずは市制20周年イベントの一環として、徒歩でたどる計画が持ち上がっている。