300平方m「白壁倉庫」綱で引っ張り20mお引越し…園児ら150人で「エンヤエンヤ」

AI要約

宮島醤油の白壁倉庫が30メートル移動し、地域の子供たちが参加したイベントを通じて移動作業が行われた。

移動された倉庫は歴史的な価値を持ち、再利用されて多目的エリアに整備される予定。

唐津くんちの13番曳山「鯱」をひく水主町の若手住民が囃子を演奏し、参加者は綱を引く作業に参加した。

 佐賀県内最大手のしょうゆ醸造会社「宮島醤油」(佐賀唐津市船宮町、宮島治社長)の1930年(昭和5年)建築の「白壁倉庫」が30日、市道をはさんだ向かい側の土地に約20メートル移動した。「曳家工法」と呼ばれる技術を用いて、本体を壊さずに移した。倉庫にくくりつけた綱で引っ張るイベントとして実施し、地域の子どもら約150人が参加した。

 白壁倉庫は土蔵づくりの平屋(約300平方メートル)。敷地内の新工場の稼働率を高める一方、歴史的価値の高さや地域のランドマークとしての役割から、壊さず移すことにした。再び倉庫として利用し、一帯を多目的エリアとして整備する。

 基礎からはがされた倉庫は持ち上げられ、下部に滑車を装着、鉄のレールの上に載せられた。隣接する同社創業の地、唐津市水主町は「唐津くんち」の13番曳山「鯱」をひく。この日は水主町の若手住民が唐津くんちの囃子を演奏する中、参加者は「エンヤ、エンヤ」のかけ声に合わせて5本の綱を引いた。

 唐津くんちの鉢巻きをしめて参加した水主町の幼稚園児(5)は「一生懸命ひいた。むちゃくちゃ重たかった」と話していた。