爽彩さんのSNS投稿「読むだけで苦しい」 北海道・旭川いじめ再調査委 「全国でも起きうる」と警鐘

AI要約

旭川市内で中学2年の広瀬爽彩さんが遺体で発見され、3年余り。再調査委員会はいじめと自殺の因果関係を認め、被害者が受ける心身の苦痛の大きさを強調した。

広瀬さんがSNSに投稿した内容によるいじめのトラウマや心の変化が長期間にわたって苦しめられていたことが明らかになり、注目を集めた。

いじめについては軽視されがちだが、本人の傷つきや重大事態への影響が多いことを指摘し、行為主義からの脱却を訴える委員の声が出された。

爽彩さんのSNS投稿「読むだけで苦しい」 北海道・旭川いじめ再調査委 「全国でも起きうる」と警鐘

 【旭川】目を向けるべきは、いじめの行為の軽重ではなく、被害者が受ける「心身の苦痛」の大きさだ―。旭川市内で中学2年の広瀬爽彩(さあや)さんが遺体で発見され、3年余り。再調査委員会は30日の記者会見で、広瀬さんの交流サイト(SNS)への投稿などを踏まえ、いじめと自殺との因果関係を認めた上で「今回と同様の問題は全国の学校で起きうる」と訴えた。

 「いじめのトラウマやフラッシュバックが、彼女を長期間にわたって苦しめていた。彼女の言葉を読んでいるだけで苦しくなる」。再調査委の尾木直樹委員長は記者会見で、広瀬さんがSNSに投稿した内容を振り返り、声を震わせた。

 再調査委はSNSへの4千件の投稿を分析し、自殺に至った心の変化を読み解いた。子どもいじめ防止学会代表理事でもある野村武司副委員長は「子供たちがSNSで発信することが増えるなかで、注目すべき分析の手法だ」とした。

 約2時間半にわたった会見で、再調査委が繰り返したのが、いじめへの対応で学校や教育委員会が陥りやすい盲点だ。

 野村副委員長は「いじめが軽く見えたとしても、本人が深く傷つき、重大事態に陥ることは多い」とした上で「いじめの行為だけを見ていると早期に対応できない。行為主義からの脱却が必要だ」と訴えた。