小泉進次郎氏「死ぬまで働け」戦慄の年金プラン “標準モデル”は萩本欽一…なんでそうなるの?

AI要約

自民党総裁選や立憲民主党代表選で「最も議論して欲しいテーマ」は「年金、医療、介護などの社会保障対策」についてで、小泉進次郎氏の提言や講演には社会保障制度の変革が含まれており、具体的には年金受給開始年齢の柔軟化や働く年齢の延長が示唆されている。

進次郎氏は「人生100年時代」の提唱者として、政治が古いやり方を壊す必要性を訴え、年金制度の改革や高齢者の労働観を変えることを主張している。彼の提案や発言は既に年金法改正につながる影響を与えており、将来的には80歳まで働くことを提案している。

しかし、進次郎氏の考え方は一部からは批判を受けており、高齢者にも長期間の労働を求める提言は一般の高齢者には適さないとの意見もある。そのため、彼の社会保障プランには賛否両論が存在している。

小泉進次郎氏「死ぬまで働け」戦慄の年金プラン “標準モデル”は萩本欽一…なんでそうなるの?

 自民党総裁選や立憲民主党代表選で「最も議論して欲しいテーマ」は「年金、医療、介護などの社会保障対策」──。7~8日実施のJNN(TBS系列)世論調査の結果で「次の自民党総裁にふさわしい人」のトップ(28.5%)は小泉進次郎元環境相(43)だが、過去の提言や講演をひもとくと、思い描く社会保障プランは非常に危うい。

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 進次郎氏は自称、国会議員初の「人生100年時代」の提唱者だ。2016年4月、進次郎氏を中心とする自民の若手グループが社会保障に関する提言集をまとめた。確かに〈人生100年生きていくことが当たり前になる未来〉と出てくるが、続くのは〈もはや戦後のやり方は通用しない〉という強い言葉である。

 否定したのは〈「20年学び、40年働き、20年休む」という人生こそが普通で幸せ〉との考え方だ。「一本道のレール」にたとえ、〈「一度レールから外れてしまうとやり直しがきかない」そんな恐れから小さなチャレンジにも踏み出せない〉と説き、〈この国の閉塞感を生み出している〉と断じた。そして高らかにこう宣言したのだ。

〈政治が、そのレールをぶっ壊す〉

 父・純一郎元首相譲りのフレーズだが、後に進次郎氏はこの提言を「私たちのバイブル」とまで言っている。16年10月、再び進次郎氏を中心に提言集「人生100年時代の社会保障へ」を発表。年金を受け取る時期を選べる受給開始年齢の柔軟化を訴え、〈年金保険料はいつまでも納付できるようにする〉〈高齢者がより長く働くことが当たり前になる〉とブチ上げた。

「進次郎氏が18年10月に党厚労部会長に就く前後には、当時の安倍政権が年金受給開始年齢の上限を引き上げる議論を開始。2年後に改正年金法が成立し、22年4月から上限は従来の70歳から75歳まで伸びた。進次郎氏の提言はすでに結実しています」(自民党関係者)

 進次郎氏は「65歳以上は『高齢者』なんてナンセンス」と年齢前提の社会保障制度の見直しや、現在16~64歳の「現役世代」の定義を「18~74歳」に変更などと講演やインタビューで繰り返す。年金の受給開始年齢は「80歳でもいいのでは」と語ったこともある。

 意味するところは「死ぬまで働け」──。いつも標準モデルに掲げるのはタレントの萩本欽一(83)だ。

 18年3月には地元・横須賀市の「0歳児からの国政報告会」にサプライズゲストとして招き、70代で大学に通った欽ちゃんを「人生100年時代をすでに体現している」と持ち上げた。

「欽ちゃんの生き方は素晴らしいが、実践できる高齢者は少ない。特殊なケースを例に挙げ、一般の高齢者の尻を叩くのは言語道断。いかにも『銀のさじ』をくわえて生まれてきた世襲議員の発想で、光を浴びている人しか見ようとしない。中間層以下を置き去りにし、誰もが豊かで希望あふれる老後とは真逆の発想です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 進次郎氏のいじめの対象は解雇規制緩和の労働者だけではない。仮に総理になれば、老人いじめも加速。「欽ちゃん化」を求められる高齢者じゃなくとも「なんでそうなるの?」と突っ込みたくなる。