小泉進次郎氏 出し過ぎ注意「小泉劇場」 銀座で初の街頭演説、5千人聴衆に熱弁 “純一郎節”連発も

AI要約

小泉進次郎元環境相が自民党総裁選立候補を表明し、街頭演説を行った。

小泉氏の演説には父の純一郎氏の影響が見られ、独立を強調しつつも、純一郎氏らの存在が背景にあることが指摘されている。

聴衆の反応はさまざまで、若返りや政策に関する期待や批判がある。

小泉進次郎氏 出し過ぎ注意「小泉劇場」 銀座で初の街頭演説、5千人聴衆に熱弁 “純一郎節”連発も

 自民党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を表明した小泉進次郎元環境相が7日、東京・銀座4丁目交差点で表明後初の街頭演説を行った。

 父の純一郎氏も首相時代などに演説で立った場所。白いワイシャツ姿で選挙カーの上に立つと、約10分間、額に汗を滴らせながら「今回の総裁選は自民党が変わるか、本当に変えられるのは誰かを選ぶ選挙です」などと聴衆5000人に訴えた。時折、拳を握り熱弁する姿は純一郎氏をほうふつさせ、世論を巻き込んだ「小泉劇場」の再現を狙う思惑が透けて見えた。6日の会見でも「聖域なき規制改革」「三位一体」と、純一郎氏が使った言葉を使い、父親を意識しているようだった。

 こうした純一郎節をにおわせる一方で、出し過ぎることができないのが実情のようだ。小泉氏は6日の民放番組で出馬決断に関して「43歳で仕事上の判断、決断をいちいち親父に仰ぎますか?」と述べ、純一郎氏が小泉氏に「50歳までは総裁選に出るな」と言ったとする報道を否定。街頭演説でも会見でも純一郎氏のことには触れず、独立していることを強調するのは、純一郎氏ら、長老が裏でうごめいている実態を悟られまいとするためだといわれている。

 関係者によると、他陣営の切り崩しには純一郎氏や森喜朗元首相が動いている。純一郎、森両氏は、裏金事件の震源地である清和政策研究会(安倍派)の会長経験者。森氏の動きに関しては、事件で瓦解(がかい)した派閥の再結集を図り、影響力を保持するのが狙いと指摘する声が出ている。さらに、小泉氏の政策集づくりには、菅義偉前首相が首相時代に重用した官僚が関与。関係者は「小泉氏が父親の存在を出し過ぎると、3人の長老支配が透けて見えてしまう恐れがある」と指摘する。

 裏金事件の「けじめ」を強く訴える小泉氏の背後で、派閥会長時代に裏金づくりを始めた可能性が指摘されている森氏ら3人がうごめく構図。永田町関係者「小泉氏は重鎮プロデューサー3人による“演者”でしかないのでは」と指摘した。操り人形と見なされれば刷新感が一気にしぼみ、党員の離反を招くことになりそうだ。

 ≪「歯切れいい」“まず物価”聴衆の反応さまざま≫

 聴衆の反応はさまざまだった。朝のニュースで小泉氏が演説することを知り訪れたという佐藤逸也さん(44)は「歯切れのいい話し方で印象がいい。海外のトップには40代の方も多くいる。このままじゃダメ。若返りを求めたい」と期待した。60代女性は「オーラを感じた。一礼する姿を見ても分かるように、誠実さを感じる」と立ち居振る舞いを評価。「小泉さん一人だけでは無理」と指摘し「優秀なベテランと力を合わせて、いい日本をつくってほしい。フレッシュさが欲しい」と若さに期待した。

 一方で、小泉氏が政治資金問題に長く言及したことに40代男性は「そういうことじゃない。財政より物価。あと外国に対してどう強くなるのかが聞きたい」と批判的だった。