今年のお題は「馬込三寸ニンジン」 「江戸東京野菜」使ったレシピを高校生が競う

AI要約

東京の高校生料理コンテスト「~江戸東京野菜~都内高校生料理コンテスト2024」が開催され、課題食材は「馬込三寸ニンジン」に決定した。コンテストは江戸東京野菜の歴史や味の伝統を未来につなぐ取り組みで、今年は22校から545人の参加が予定されている。

過去のコンテストでは、参加者が「寺島ナス」「ごせき晩生小松菜」などの在来種や伝統栽培法を活用したオリジナルレシピを競い合ってきた。今年の審査基準は江戸東京野菜への理解やアイデアの独創性などが重視され、優秀作品は商品化される予定だ。

都立赤羽北桜高調理科は昨年に続き連覇を目指し、コンテストに熱心に取り組んでいる。参加者たちは地域や社会、そして世界について学びながら、料理を通じて東京や日本の文化を伝える使命を感じている。

今年のお題は「馬込三寸ニンジン」 「江戸東京野菜」使ったレシピを高校生が競う

東京の在来種や伝統栽培法などに由来する「江戸東京野菜」を使用した高校生の料理コンテスト「~江戸東京野菜~都内高校生料理コンテスト2024」(主催・JA東京中央会)の課題食材が「馬込三寸ニンジン」に決まり、参加する都内の高校生がオリジナルレシピを作成、今後開かれる実技審査に向けた準備を進めている。

東京の農産物の魅力を学び、知り、味わうことで江戸東京野菜の歴史や物語、味の伝統を未来につなげようと始まった同コンテストは今年で3回目。令和4年度は「ごせき晩生小松菜」を題材に3校64人が参加。昨年度は17校391チーム、555人が「寺島ナス」を活用したレシピのアイデアや調理の腕を競った。

今年は22校から個人とチーム合わせて545人の参加が見込まれている。6日にレシピの応募が終了し、13日に書類審査で優秀8作品を選出。10月中旬に調理・プレゼンテーションによる実技審査が行われる。優秀作品は商品化し、10月下旬に実施する都主催の食のイベント「東京味わいフェスタ」で販売する。

審査基準は、①江戸東京野菜について理解しているか②課題食材の特徴を生かしているか③高校生らしいアイデアや創意工夫はあるか④作りたくなる、食べたくなるレシピになっているか-などで、オリジナル的な要素も求められる。

昨年度に優勝と特別賞を受賞した都立赤羽北桜高調理科(東京都北区)では連覇を目指して作品制作に余念がない。指導にあたる同校の池田真由美主任教諭は、「コンテストに参加することによって江戸東京野菜という文化の継承につながる。また、レシピ制作においては自分たちの住む地域や社会、そして世界を学ぶことにもなり、調理を通じて東京や日本を大切に思う調理師が育っていくことにもつながる」と話す。

同校調理科からコンテストには2年生の個人参加が35人、初めて参加する1年生は3人1組で12チームが参加する。昨年、個人参加で優勝した3年の河津共希さんは、「料理が好きで高校卒業と同時に調理師免許が取れるので北桜を選んだ」と進学の動機を語り、「主催者側がレシピや作品に対してどういった意図を持っているかをくみ取ることが大切」と後輩たちに秘訣を伝授した。

池田主任教諭は「作品は見た目もすごく重要。江戸東京野菜を栽培している農家の人の気持ちを考えながら、制作活動を行ってほしい」と期待を寄せている。

◇江戸東京野菜は、後継者不足、農地の減少、輸入食料への依存など栽培環境の厳しさから一時途絶えかけたが、平成23年にJA東京中央会が呼称を定め、現在52品目が認証されている。