「ブルーライト」を朝や昼に浴びることは“悪”ではない【一生見える目をつくる】

AI要約

現代人の目はスマホやパソコンの使用により酷使されており、老眼の症状が以前よりも早く現れる傾向にある。

ブルーライトは太陽光にも含まれており、体内時計を整える役割を果たしているが、夜間に浴びると睡眠障害を引き起こす可能性がある。

睡眠障害を予防するためには、就寝2〜3時間前にスマホやタブレットを避ける習慣をつけることが重要。

「ブルーライト」を朝や昼に浴びることは“悪”ではない【一生見える目をつくる】

【一生見える目をつくる】#28

 この10~20年で、パソコンやスマホが広く普及し、とくにスマホは現代人にはなくてはならない存在となりました。地図を見たり、ニュースサイトやSNSをチェックしたり、ゲームをしたり動画を長時間見たり……。昔に比べると、読んだり見たりする対象物が圧倒的に小さくなり、目を使う時間が断然長くなった。現代人は相当目を酷使しているということです。

 その影響もあって、老眼の症状を自覚する年齢も、以前より早くなっていると感じています。ひと昔前ならば40代半ばで老眼を自覚し始める人が大半だったのが、いまは40代前半で「小さな文字が見えづらい」と訴える人が多い。スマホやパソコンの見過ぎが原因のひとつと捉えています。

 スマホやパソコンを見ている間は、目が常にブルーライトを浴びています。ブルーライトとは「光の中の青色の波長の光線」のこと。角膜や水晶体で吸収されずに網膜まで到達する光です。

 スマホやパソコンが当たり前になるにつれて、ブルーライトは「よくないもの」としてその名前が世に広まるように。が、実はブルーライトは太陽光にも含まれていて、人の体内時計を整えてくれる役割をしてくれる大切な存在でもあるのです。

 体内時計が正しく調整されていないと睡眠障害につながる。ですから、朝や昼間にブルーライトを浴びることは「悪」ではありません。朝起きてすぐにカーテンを開けて、日光の光を浴びる――。これを実践している人も多いのではないでしょうか。体内時計を正常に働かせるためにも、それは正しい習慣です。

 ただし、夜間にブルーライトを浴びると、私たちの体は「太陽が出ている朝が来た」と勘違いしてしまう。そのため、ベッドに入ってもなかなか眠れない現象が起きてしまうことがあるのです。夜中のPC作業で「頭がさえてしまう」体験もあるのではないでしょうか。

 睡眠障害を引き起こさないためにも、目の負担を減らすためにも、ベッドにはスマホやタブレットは持ち込まないようにしたいもの。「どうしても眠る前にチェックしなければならないことがある」のなら、ナイトモードなどに切り替えましょう。

 できれば就寝の2~3時間前にはこうした調整を習慣化するようにしていただきたいものです。