毎日食べても飽きない〈豆腐アレンジ〉ちょい足しすべき食材は?栄養学的メリットを管理栄養士が解説

AI要約

豆腐は低カロリーで低脂質なヘルシーフードであり、クセのない味わいはアレンジが容易で飽きづらい食材です。

豆腐には良質なタンパク質が含まれ、大豆オリゴ糖が整腸作用を促し、腸内環境を整えます。

毎日のコンディションを整えるために、豆腐を使った〝ちょい足し〟冷ややっこのアイデアを各曜日ごとに紹介します。

毎日食べても飽きない〈豆腐アレンジ〉ちょい足しすべき食材は?栄養学的メリットを管理栄養士が解説

低カロリーで低脂質な豆腐は、言わずと知れたヘルシーフードです。のどごしのいい冷ややっこは、タンパク質不足になりやすい夏を支える強い味方です。クセのない豆腐は、何にでもあいやすく、アレンジ自在。組み合わせる食材の工夫次第では、毎日食べても飽きづらい1品です。ここでは、毎日のコンディションを支える〝ちょい足し〟冷ややっこを、ご紹介します。

■コンディショニングフードに〝豆腐〟がいい理由

特別な調理をしなくても、そのまま食べることができる豆腐。忙しい朝食や、疲れて何もしたくない夕食メニューの栄養価を一気に底上げしてくれます。豆腐を切って、器に盛るだけの〝冷ややっこ〟。寒いときは温めて〝温やっこ〟や〝湯豆腐〟としてもいただけます。

良質なタンパク質源である豆腐は、低カロリーで低脂質、低糖質、さらには大豆よりも消化性がいいため、40歳以降のコンディショニングフードとして最適です。

植物性のタンパク質は動物性のタンパク質に比べて、アミノ酸バランスが悪いものが多いですが、大豆には、肉や魚、卵などと同じように、良質なタンパク質が含まれています。とくに、リジン、アルギニン、グルタミンなどのアミノ酸が豊富に含まれており、リジンは免疫機能向上、骨粗鬆症予防などの効果が、アルギニンは血流改善、疲労回復、アンチエイジングなどの効果が、グルタミンはエネルギー代謝、腸内環境改善、免疫機能向上などの効果が認められています。

また、植物性タンパク質には、動物性タンパク質にはない整腸作用も期待できます。豆腐には食物繊維がほとんど含まれていませんが、優しい甘味の大豆オリゴ糖は大腸まで届いて腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整えます。

■各曜日の調子を整える〝ちょい足し 冷ややっこ〟を栄養学的に解説

のどごしのいい冷ややっこは、タンパク質不足になりやすい夏を支える強い味方です。クセのない豆腐は、何にでもあいやすく、アレンジ自在。組み合わせる食材の工夫次第では、毎日食べても飽きづらい1品です。ここでは、毎日のコンディションを支える〝ちょい足し〟冷ややっこをご紹介します。

■■月曜日の〝薬味やっこ〟で体内時計をリセット

月曜日は、週末に乱れがちな体内時計をリセットするところから始めましょう。朝食のタンパク質摂取は、末梢組織の時計遺伝子の発現を促し、体内時計をリセットする働きがあります。またそのほかにも、筋肉量を維持したり、基礎代謝を上げたり、血糖値を安定させたり、集中力を維持したりする働きが期待できます。

ただし豆腐(にがり)には体を冷やす性質があります。そこで、朝の豆腐には、体を温める効果のある ねぎ、生姜、みょうが、しそなどの薬味を組み合わせて、体を冷やしすぎないように心がけましょう。

■■火曜日の〝梅茶漬けやっこ〟で集中力アップ

小丼に豆腐と梅干し、お茶漬けの素を入れて、緑茶をかけて作る梅茶漬けやっこ。米飯ではなく、豆腐のお茶漬けです。

梅干しの酸味は唾液の分泌を促し、食欲を増進させます。さらさらと食べやすいことから、暑い夏の朝食にもぴったりです。さらに、梅干しに含まれる有機酸やミネラルには疲労回復効果があり、集中力の維持にも役立ちます。

ただし、緑茶は体を冷やす作用が強いため、冷茶ではなく、熱いお茶をかけていただくのがおすすめです。温かい料理は体温を上昇させ、代謝を活発にすることで、脳への血流が改善され、思考力や判断力が向上します。また、緑茶に含まれるテアニンには、脳をリラックスさせ、集中力を高める効果も期待できます。

■■水曜日の〝サバ缶冷汁〟で睡眠の質を高めて疲労回復

丼に豆腐、サバ缶、輪切りきゅうりを入れて、冷たい味噌汁をかければ、簡単に冷汁を作ることができます。豆腐やサバ缶に豊富なトリプトファンは、体内時計を調整し、睡眠ホルモンであるメラトニンの生成を促すアミノ酸です。さらにサバに豊富なビタミンB6は、トリプトファンからメラトニンを合成する際に必要な栄養素です。これらの栄養素を組み合わせることで、睡眠の質を向上させたり、心身をリラックスさせたりする効果が期待できます。

きゅうりと味噌汁は、汗をかいた後や脱水気味のときの手軽な水分補給になります。また、きゅうりに豊富なカリウムは、体内の余分な水分を排出し、水分代謝をよくします。むくみが解消されると、体が軽くなり、疲労感が軽減されます。

■■木曜日の〝オニオンサラダやっこ〟で持久力アップ

夏場は、食べやすい麺や甘いものに食事が偏りがちで、糖質を摂り過ぎてしまうことがあります。夏バテの原因の一つは、糖質をエネルギーに変えるために必要なビタミンB1が不足することです。糖分をたくさん摂っても、体内でうまく利用できず、エネルギーに変えられないため、だるさや疲労感が募ってしまいます。

オニオンやっこは、豆腐にオニオンスライスとかつお節をのせ、しょうゆをかけていただきます。しょうゆの代わりに和風のドレッシングでもいいでしょう。豆腐などの大豆製品は、ビタミンB1が豊富な食品です。そこに玉ねぎやねぎを加えることで、これらの野菜に含まれるアリシンがビタミンB1の働きを助け、より効果的にエネルギーを生み出すことができます。

■■金曜日の〝カプレーゼ風やっこ〟でコミュニケーション能力アップ

イタリアのカプレーゼは、モッツァレラチーズ、トマト、バジル、オリーブオイルを合わせた爽やかなサラダです。今回は、モッツァレラチーズの代わりに木綿豆腐を用いて、手軽にカプレーゼ風の一品を作ってみましょう。

トマトに豊富に含まれるGABAは、脳をリラックスさせ、ストレスを軽減する効果が期待できます。バジルに含まれるリナロールなどの香り成分は、神経を鎮め、ストレスや不安を軽減し、心身を穏やかにする働きがあります。また、オリーブオイルの強力な抗酸化作用が、この一週間の疲れを癒やし、いい週末へとつなげてくれるはずです。

■■土曜日の〝しらすポン酢やっこ〟でリラックス

豆腐としらすに豊富なカルシウムとマグネシウムは、体内で密接に働き、心身の安定に重要な役割を果たすミネラルです。どちらも、体内への吸収率がよくないミネラルですが、ポン酢と組み合わせることで、吸収率がアップします。

カルシウムは骨の健康維持だけでなく、神経の興奮性を抑える働きがあり、ストレスを感じやすい方にとっては心身を落ち着かせる効果が期待できます。一方、マグネシウムは、神経系の過剰な興奮を抑え、リラックス効果を高める働きがあり、不眠や慢性的な疲労の改善に役立つと言われています。さらに、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制することで、ストレスへの抵抗力を高める効果も期待できます。

■■日曜日の〝海苔あんかけやっこ〟で疲労回復

海苔の入ったとろみあんを豆腐にたっぷりかけた温やっこ。海藻類に含まれる水溶性食物繊維は、腸内環境を整える働きがありますが、一部の海藻類には身体を冷やす作用も強いので、温かい料理で! 

腸内環境を整えることは、精神的な健康にもつながると言われています。毎週日曜日は、腸に優しい食事を心がけ、心身をリセットして、新しい週を迎えたいですね。

この冷ややっこカレンダーは、あくまでも一例です。 自分の体調や気分に合わせて、お好みの具材でアレンジしてみてはいかがでしょうか。

ライター/石松佑梨(管理栄養士)