トンボ、セミ、コオロギ…万博会場に誕生した新たな生態系

AI要約

2025年大阪・関西万博の会場となる大阪市の人工島・夢洲に、新たな生態系が誕生した。会場中心部に整備された「静けさの森」には樹木約700本が移植され、涼を感じる空間となっている。

万博を運営する日本国際博覧会協会によると、森は大屋根「リング」の内側にあり、周囲には海外パビリオンが建ち並ぶ予定だ。来場者の憩いの場として、木陰も多く設計され、暑さ対策の役割も期待されている。

工事は23年夏に始まり、2025年の開幕に向け移植を進め、約70種1500本の樹木に増やして完成する予定。総整備費は約15億円。

トンボ、セミ、コオロギ…万博会場に誕生した新たな生態系

 2025年大阪・関西万博の会場となる大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)に、新たな生態系が誕生した。会場中心部の約2・3ヘクタールに整備される「静けさの森」。阪神甲子園球場の半分強のスペースに、1970年大阪万博が開かれた万博記念公園(大阪府吹田市)などから樹木約700本が移植済みで、中央には直径約20メートルの池も造られた。

 緑と水に誘われるようにトンボやセミ、コオロギなどの昆虫もすみ、涼を感じる空間だ。

 万博を運営する日本国際博覧会協会によると、森は大屋根「リング」の内側にあり、周囲には海外パビリオンが建ち並ぶ予定だ。来場者が散策したり、休憩したりする憩いの場となる。木陰も多く設計され、暑さ対策の役割も期待される。

 工事は23年夏に始まり、現在の進捗(しんちょく)は6割ほど。25年2月までにさらに移植を進め、コナラやケヤキ、ブナなど約70種計約1500本に増やして完成、開幕に備える。総整備費は約15億円。

 景観デザインを担当した忽那(くつな)裕樹さん(58)は「健康、命をテーマにした万博会場で、自然とともに(自分たちが)生きていることを実感してもらえれば」と話した。【村上正】