開封して数カ月経った目薬は中身が腐っている可能性あり【一生見える目をつくる】

AI要約

市販の目薬は開封後1カ月で使用期限が切れるため、期間が過ぎたら残っていても処分する必要がある。

眼科から処方される目薬は防腐剤が入っていないため、保存期間が短い場合がある。

目薬の保存期間を守ることは雑菌感染を防ぐために重要であり、使用中に汚れた容器がまつ毛やまぶたに触れたり、床に転がった場合は速やかに処分する必要がある。

開封して数カ月経った目薬は中身が腐っている可能性あり【一生見える目をつくる】

【一生見える目をつくる】#27

 市販の目薬の使用期間はほとんどが開封してから1カ月程度。期間が過ぎたなら、たとえ残っていても処分してください。開封してから3カ月も4カ月も経過した目薬は防腐剤の効果が切れて、液体が腐敗している可能性があります。

 眼科から処方された目薬には保存期間がさらに短いものがあります。なぜなら、それらには防腐剤が入っていないからです。

 受診した眼科の医師や、または総合薬局に受け取りに行った際、薬剤師から「1週間で使い切ってください」「定められた回数で使用した後、目薬が残っていても処分してください」というような説明を受けているかと思います。それもあってか、「眼科から出た目薬は長く使えない」という意識を持っている人は多いように感じます。

 でも市販の目薬となると違ってくる。開封してから長期間使用する人が多いのです。

 例えば、ものもらいなどができたときに使用する抗菌用の目薬。ドラッグストアで手軽に購入できるため、とくに誰からも使用方法の説明を受けません。

 よくあるパターンが、開封して数回使用したら、「まだたくさん残っているから」とそのまま家の薬箱などに入れる。数カ月後や1年後にまたものもらいができたときに「ものもらい用の目薬取っておいたな」と薬箱をゴソゴソ。とっくに保存期間が切れた目薬を点眼する……。眼科医からすればこんな恐ろしい話はありません。1年前の飲みかけのジュースを飲むようなものです。

 どんなに気をつけていても点眼する際に、目薬の容器がまつ毛やまぶたに触れてしまう可能性は大きいのです。まつ毛やまぶたに付着していた雑菌が目薬に混入すると、防腐剤の効果が切れた後、雑菌がどんどん目薬の中で繁殖していきます。

 さらに細かな話になりますが、点眼の際に目薬の蓋が床に転がったら、その目薬は速やかに処分してください。

 言うまでもありませんが、床は雑菌が多い。ですから床に落ちた蓋をまた付けて(たとえ多少拭いたとしても)目薬を使い続けるのは、雑菌を目に入れるのと同じです。

「もったいない」という気持ちはよくわかります。しかしそれが、新たな目の不調を招いてしまうかもしれないのです。

(荒井宏幸/クイーンズ・アイ・クリニック院長)