「汗のかきすぎ」はどれほど?かきすぎも良くない⁉️米医科大学の皮膚科学助教授が「発汗」の疑問に回答

AI要約

発汗についてのさまざまな疑問について医師に質問しました。発汗は体温調節のために必要不可欠であり、多汗症についても解説されています。

発汗の必要性は個人によって異なり、過剰な発汗の場合は多汗症が疑われます。医師に診断を受けることが重要です。

多汗症は全身性と局所性に分けられ、様々な要因が原因となっています。服や皮膚の状態が影響を受けることもあるので注意が必要です。

「汗のかきすぎ」はどれほど?かきすぎも良くない⁉️米医科大学の皮膚科学助教授が「発汗」の疑問に回答

ジムで運動をした後ならトップスや髪が汗だくでもいいけれど、大事なプレゼンやデート、入社面接で手のひらが湿っていたり、脇の下に汗染みができたりするのは避けたいところ。そこで今回イギリス版ウィメンズヘルスは、発汗に関するさまざまな疑問を医師に投げかけてみた。

※本記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスからの翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。

時には臭うこともあるけれど、発汗する行為は生きていくうえで自然なこと。「人間は体温を調節するために汗をかきます」と説明するのは、米マウントサイナイ・アイカーン医科大学の皮膚科学助教授、デボラ・ジャリマン医学博士。「汗が蒸発することで体はクールダウンします」。

体は実際、体幹温度を調節しようと常に汗をかいており、汗がしずくとなって流れ落ちるのは、発汗率が蒸発率を超えたときだけ。これは、暑い日やストレスが蓄積したときに起こり得るそう。このような状況における過剰な発汗は、通常大きな病気を示すものではない。

発汗における"正常"の範囲は幅広い。体が置かれている状況によって、汗を1リットルもかかない日もあれば、数リットルかく日もある。例えば普段から運動をしている人や、蒸し暑い地域に住んでいる人が頻繁に汗をかくのは当たり前。

発汗が自然なことであるとはいえ、体が必要以上に汗をかくこともあり、世界の2億2000万人(世界人口の約3%)は多汗症を患っているそう。多汗症患者は汗を分泌する腺の一つ「アポクリン腺」が活発すぎて、体をクールダウンさせるのに必要な量以上の汗を分泌してしまうそう。

この病気は全身に現れることもあれば、特定の部位にしか現れないこともあるとか。全身性多汗症は大抵の場合、代謝機能が何かしらの理由で妨げられる「代謝異常症」(甲状腺機能亢進(こうしん)症など)や糖尿病、感染症、リンパ系腫瘍といった基礎疾患の症状。アルコール中毒および離脱、抗うつ剤をはじめとする、特定の薬の服用も過剰な発汗を引き起こすことがある。また、全身性多汗症には、不安やホルモンの変化にも関連している。

一方の局所性多汗症は、通常別の病気の症状ではない。多汗症と聞くと脇の下から汗が湧き出ることをイメージする人が多いけれど、脇の下にある汗腺は全体の2%にすぎない。つまり、局所性多汗症は、足や手、頭など体のあらゆる部位でも起こり得るということ。

発汗の必要性は人によって違うので、「これ以上は過剰」と言い切るのは難しく、最終的な診断は医師にしか下せない。でも、服が汗でびっしょりぬれてしまったり、汗のかきすぎで皮膚が荒れてしまったり、体を動かしていないのに汗をかいたりする場合は、多汗症が考えられるという。