ジュリアード音楽院からハーバード大学へ アメリカ哲学の巨人の経歴

AI要約

古典の翻訳が絶望視されていた作品が邦訳され、著者のカヴェルの重要性が再評価される。

訳者の荒畑靖宏氏とウィトゲンシュタイン研究者の古田徹也氏による対談イベントが開催され、『理性の呼び声』について議論される。

荒畑靖宏と古田徹也のプロフィールが紹介され、それぞれの研究や著書について触れられる。

ジュリアード音楽院からハーバード大学へ アメリカ哲学の巨人の経歴

長いあいだ翻訳を絶望視されてきた古典が、ついに邦訳されました。著者のカヴェルは、ドゥルーズ『シネマ』と双璧をなす映画論を書いた、ウィトゲンシュタインの後継者であり、アメリカ哲学の巨人です。その主著『理性の呼び声』は無数のアイデアにあふれ、哲学者たちの間で「バイブル」とされてきました。

邦訳の刊行を記念して、訳者の荒畑靖宏氏と、ウィトゲンシュタイン研究者の古田徹也氏に、この分厚くて難解な哲学書について対談イベントが開催されました(本記事は、2024年7月3日/ジュンク堂書店池袋本店「荒畑靖宏×古田徹也 スタンリー・カヴェル著『理性の呼び声』刊行記念トークイベント「いま最もアツい古典」の読み方・使い方!」より一部編集のうえ再構成しています)。

荒畑靖宏

1971年、東京都生まれ。ドイツ・フライブルク大学哲学部大学院博士課程修了(Dr. phil.)。現在、慶應義塾大学文学部教授。著書に『世界を満たす論理』(勁草書房)、『世界内存在の解釈学』(春風社)、Welt - Sprache - Vernunft (Ergon)、共編書に『あらわれを哲学する』(晃洋書房)、『これからのウィトゲンシュタイン』(リベルタス出版)、共訳書にジョン・マクダウェル『心と世界』(勁草書房)などがある。

古田徹也

1979年、熊本県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。東京大学文学部卒業、同大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。新潟大学教育学部准教授、専修大学文学部准教授を経て、現職。専攻は、哲学・倫理学。『言葉の魂の哲学』で第41回サントリー学芸賞受賞。その他の著書に、『それは私がしたことなのか』(新曜社)、『ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考』(角川選書)、『不道徳的倫理学講義』(ちくま新書)、『はじめてのウィトゲンシュタイン』(NHKブックス)、『いつもの言葉を哲学する』(朝日新書)、『このゲームにはゴールがない』(筑摩書房)、『謝罪論』(柏書房)など。訳書に、ウィトゲンシュタイン『ラスト・ライティングス』(講談社)など。