こうすれば相手が勝手に察してくれる…要領のいい人が「仕事を増やしたくない」時に使う魔法のフレーズ

AI要約

頼み事を断る方法として、即答せず時間を置くことが効果的である。

やりたいことを半分にして伝えることで、過剰な責任感から解放されることができる。

責任感が強い人は評価が高くなるとさらに責任感を増してしまい、負担が増える恐れがある。

人から頼み事をされたとき、うまく断るにはどうすればいいか。精神科医のTomyさんは「責任感が強い人は二つ返事で引き受けてしまいがちだが、それでは疲弊してしまう。断るのが苦手なら、まずは即答せず時間を置くことを習慣づけるといい」という――。

 ※本稿は、精神科医Tomy『精神科医Tomyのほどほど力 全力投球は、もう卒業よ』(だいわ文庫)の一部を再編集したものです。

■「やりたいことを半分にしてください」と伝える理由

 今まで頑張るのが当たり前だと思っていた人は、頑張ることが「ふつう」です。変えてみようとしたところで、他人から見たら「それでも頑張りすぎ」と思われる可能性もあります。

 そこでアテクシはこんな言い方をします。「アナタがやりたいと思ったことの半分ぐらいにしてください」と。「7~8割」にはしません。何でもやりすぎる人に「7~8割にしてください」といっても結局やり方が変わらないことがほとんどだからです。かといって「10分の1」だと「そりゃ無理だよ」と思われて参考にしてくれません。

 「半分」が一番いいぐらいです。たとえばアナタが今日は「○○と××と△△と□□しよう」と思ったら、「○○○と×××」ぐらいにとどめておく。半分だけというのは実にわかりやすい目安なのです。半分で回るのかというご質問が飛んできそうですが、実はほとんど問題は起きません。

■数が減れば優先順位をつけられるようになる

 たとえばテーマパークで考えてみましょう。アナタがあるテーマパークに来て8個のアトラクションに乗りたいと考えました。今まで通り8個回ろうと思ったら、ずっと「どう回るか」「ちゃんと全部回れるか」だけ考えてへとへとです。せっかく遊びに来たのに気持ちに余裕もなく逆にイライラしてしまいます。

 しかし「半分だけにしてください」と言われたらどうでしょう。今日回るのは4個です。その場合はきっとどうしても乗りたいものだけを4つ選ぶのではないでしょうか? そうすると気持ちにも余裕ができ、のんびり散策したり、食事をゆったりとったりもできるのではないでしょうか。

 そうなのです。目標が半分に絞られると、人は優先順位の高いものを選びます。優先順位をつけるということが大切なのです。頑張りすぎる人がなぜいっぱいいっぱいなのかというと、優先順位をつけないからです。知らず知らずのうちに「全部やるべき」などと考えてしまうのです。

 それを「半分にしてください」と言われると優先順位をつけるという意識が出てきます。これが大切なのです。というわけで、今日からでもぜひ始めてください。「やりたいことの半分だけ」。

■責任感が強いのはいいことだけではない

 ほどほどにできない人は「過剰な責任感」に苦しめられていることが多いです。本来そこまで求められていないのに、どんどんと自分の責任のハードルを上げてしまう。その理由は「責任感が強いのはいいことだ」と思っているからです。

 しかし責任感が強い人は、あれもこれも自分の責任にしていきます。しかも世の中には責任感のない人もいますから、そうした人々が自分の仕事を責任感の強い人に押しつけていきます。そしてさらに自分の責任が増えていくのです。

 こうして見ていくと、責任感の強い人の問題は、「自分の責任がどんどん増えていく」というその状況にあります。自分に課せられたことに対して責任を持ってやるということには何ら問題がありません。

 しかし、そういう人は評価が高まり、役職が上がったり仕事が増えたりします。

 ここが問題なのです。なおかつ責任感の強い人にとって、「評価が高くなっている」という事実は、誇りや心の報酬につながっていることも多いです。そうなるとどうなるでしょうか?

 「責任感が強い→評価が上がる、仕事が増える→もっと責任感を持とうと思う」

 こんなスパイラルができてしまうのです。