大阪駅から1時間…日本最古の修験道霊山・犬鳴山で「人生を洗い清める」日帰り修業の、おお感動!

AI要約

修験道とは古神道、仏教、道教等が融合した宗教であり、山中で厳しい修行を行うことで超自然的な能力を得る信仰である。

犬鳴山は大阪に位置し、日本最古の霊場である。修験者先達の指導の下、一日修行体験が可能で、女性も参加できる。

七宝瀧寺では剣に龍が巻き付いた倶利伽羅大龍不動明王を本尊とし、修験道の一日体験が行われている。

大阪駅から1時間…日本最古の修験道霊山・犬鳴山で「人生を洗い清める」日帰り修業の、おお感動!

山伏(やまぶし)で知られる修験道(しゅげんどう)。修行の場となる霊山は全国に存在するが、日本最古の霊山は大阪にあり、その名も犬鳴山(いぬなきさん)と言う。大阪と和歌山の境、和泉(いずみ)山脈に位置する神仏習合霊場で、山全体が行場(ぎょうば)となっている。真言宗犬鳴派 大本山犬鳴山 七宝瀧寺(しっぽうりゅうじ)では、修験者先達(しゅげんしゃ せんだつ)の指導の下、一日修行体験ができる。一般人、それも女性も参加できると聞き、先日参加させていただいた。

大阪南部に位置する泉佐野市。沖合には空の玄関口・関西国際空港を擁する一方、山中には、日本最古の修験道の霊場が存在する。近代化の象徴のような国際空港と、古代から続く山岳信仰の聖地が同じ市にあるやなんて、振り幅が大きすぎやしませんか。

犬鳴山。一度聞いたら忘れられないほど印象に残る名称だが、犬鳴山という山があるわけではなく、犬鳴川渓谷を中心とする山域全体の総称だ。平安時代の890(寛平2)年、山中で大蛇に襲われた猟師を助けるために愛犬がけたたましく吠え、身を挺して主人を守った。後に、その話を聞き及んだ宇多天皇から、「犬鳴山」という勅号を賜った。

犬鳴山の開山はそれよりも前、大化の改新後、飛鳥時代の661(斉明7)年のこと。修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)がこの地を訪れ、開創された。奈良県の大峰山より6年早く開山されたので、日本最古の霊場と呼ばれる由縁となっている。

ご本尊は、剣に龍が巻き付いた倶利伽羅大龍不動明王(くりからだいりゅうふどうみょうおう)。あらゆる厄災を除く物事成就の守護神であり、運気の守護、命乞いなどに霊験あらたかで、信仰を集めている。

弘法大師もこの山中で修行し、七福神を祀られた。七宝瀧寺の名称は、山中にある七つの滝を金銀七宝に例えられたことが所以である。

さて修験道とは、森羅万象に命や神霊が宿るとした古神道に山岳信仰、仏教(密教)や道教等が混ざりながら成立した神仏習合の宗教・信仰である。山に分け入り、厳しい修行を行うことで心身を鍛え、「験力(げんりき)」=功徳のしるしとしての超自然的な能力を得て、己そして衆生の救済を目指すものだ。

山中で修行する人々のことを修験者と呼ぶのは、心の迷いを払い、験徳(げんとく)を得て、その徳を驗(あら)わすことから。あるいは山に伏して修行する姿から、山伏(やまぶし)とも呼ばれている。

奈良県の大峰山(おおみねさん)や山形県の出羽三山(でわさんざん)、福岡県の英彦山(ひこさん)など、全国に修験道の霊場は数多く存在する。しかし、47都道府県の中で最も俗気が強いと言っていい大阪府に、日本最古の霊場があるとは何ということやろう。

しかも、七宝瀧寺では女性も含む一般の人々も、毎月1回修験道の一日体験をさせていただける(12月~2月は休み)。日頃、煩悩にまみれきっている私への神様のお導きかもしれないと思い、修行体験に申し込んだ。