今、再びブーム!「アサイーボウル」にZ世代が注目している理由

AI要約

アサイーボウルが再び注目を集めている理由についての分析。

過去のブームと今回のブームの違い、Z世代の影響などについて。

食のトレンドがどのようにして広まり、消えるのかについての考察。

今、再びブーム!「アサイーボウル」にZ世代が注目している理由

【あの食トレンドを深掘り!】日々生まれている食のトレンド。なぜブームになったのか、その理由を考えたことはありますか? 作家・生活史研究家の阿古真理さんに、その裏側を独自の視点で語っていただきました。

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クックパッドの食の検索データ「たべみる」によると、アサイーボウルの検索回数が今年、10年ぶりに大きく上昇し、2023年の約3.75倍にもなった。アサイーは、ブラジル原産のスーパーフードと呼ばれる果物で、味も香りもほとんどないが、紫色の表皮から分かるように抗酸化作用が強いポリフェノールが多く、鉄分、食物繊維、ビタミンE、マグネシウムなどのビタミン・ミネラル、オレイン酸といった脂質、アミノ酸類など豊富な栄養を含み、アマゾンではよく料理に使われている。アサイーボウルはリオデジャネイロやサンパウロなど都市で食べられているスイーツで、アサイーとバナナ、牛乳または豆乳・ヨーグルトで作ったスムージーの上にフルーツやシリアル、はちみつなどをトッピングする。ハワイでも人気で、10年前のブームはハワイ料理の人気にリンクしており、ハワイ料理店でも提供されている。

当時は美容によいとして大ヒットしたが、間もなく終息した。それが去年あたりから再流行しているのだ。『アットダイム』2024年7月1日配信記事「Z世代が熱視線!アサイーが再びブームになりそうな勢いで出荷量激増」に掲載された、アサイー関連商品を扱うパイオニア企業、フルッタフルッタ社長のコメントによれば、10年前のブームは芸能人やモデルなどのセレブがけん引したが、今回はSNSを通してZ世代で広がっているところが異なるという。同記事には、「Z総研2024年上半期トレンドランキング」の「食べもの・飲みもの」カテゴリーで、アサイーボウルが71・2パーセントのダントツ1位になっていることも書かれている。

前回のブームが1~2年で終息した要因について、『東洋経済オンライン』2016年7月18日配信記事「アサイーブーム終焉で煽りを食ったあの会社」が、翌年にはメディアの露出が減り消費者の関心が他へ向いた、と説明している。確かに2010年代半ばは、パクチーブームやアジア料理、おにぎらず、時短レシピなど多彩で大きなトレンドが次々に発生したので、消費者が目移りしたのかもしれない。食べ慣れない料理、食トレンドだったことも影響したのではないだろうか。

今回の流行の発端は、Z世代のインフルエンサーがSNSで発信し始めたことが始まりのようだ。もしかすると彼らは10年前のブームを知らず、新しい食べ物として発見したのかもしれない。ブームが続くとすれば、世代交代で好みが変わったという可能性もある。

前回のブーム時、2014年8月27日に放送された『孤独のグルメ』(BSテレ東)「杉並区阿佐ヶ谷のオックステールスープとアサイーボウル」が、2023年5月に再放送されたことも今回火付け役の一つ、とする記事もある。調べてみると、この回はそれ以前にも以後にも再放送されており、アマゾン・プライムなどでも配信されているので、タイミングが重なっただけかもしれない。