「ダメな理由」より「イイ理由」を追求したほうが近道 一周回って考えるクラブ選び／ギアを愉しむ。
キャディバッグに14本のクラブが入るとして、うまく打てるクラブを見つけるために30年以上の試行錯誤を続けている主のストーリー。
過去のやり方は遠回りだったと感じ、うまく打てるモデルを研究すべきだったと気づいた主。今夏は地味な実験でウェッジについて探究している。
過去の90年代のウェッジを打ってみて感じた違和感から、新旧のシャフトを比較し、さらに打ちやすい組み合わせを探している。
キャディバッグに14本のクラブが入るとして、その中にはうまく打てるものと打てないものが存在する。私もかれこれ30年以上、「これはイイ」「これはダメ」を繰り返して究極の“1×14”を探し続けてきた。
うまく打てるクラブを見つけたい――。その一心で試し続け、うまく打てないクラブに出合うと「なぜコレは合わないのか？」と、その原因を探った。時にはシャフトを挿し替え、時にはヘッドに鉛を貼り、何とか打てる方向に持っていけないかと試行錯誤を繰り返した。ただ、今となってはそのやり方はかなり“遠回り”だったのではないかと感じている。
せっかく時間と労力をかけるのならば、うまく打てないモデルよりも、うまく打てているモデルを研究するべきだった。「どうしてこのクラブだとうまくいくのか？」そう考えたほうが、もっと早く“答え”にたどり着けた気がするのだ。
例えば、今夏もウェッジについて地味な実験をしていた。発端は、たまたま引っ張り出してきた90年代のアイアンセットのサンドウェッジが、妙に打ちやすく感じられたこと。「なぜ、このウェッジだとこれほどまでにボールがフェースにスッと乗ってくれるのだろう？」
最初はヘッド性能のおかげかと思っていたのだが、同型ヘッドを試しても全く同じ感じにはならない。次にシャフト自体が振りやすいものなのかを探る。すでに廃盤している日本シャフト「NSプロ オレンジ(硬さR3)」という、現行「950GH」が登場する前のシリーズで、メーカーに問い合わせても在庫切れ。ネットで調べ上げて、ようやく某パーツ販売店に旧「NSプロ」シリーズのデッドストック品が、わずかに販売されていることを発見した。都合よくウェッジ用が残っているはずもなく、仕方なく問題なさそうなアイアン用で調達。番手、重さ、硬さ違いのモデルを複数本で購入し、それぞれを装着して打ち比べてみた。
結果からいうと、たまたまうまく打てた「NSプロ オレンジ」装着の90年代ウェッジより、さらにうまく打てる組み合わせが出現。それからは、さらにそれを上回るモデルがないかを模索中である。
