「トヨタのGRヤリスとは何者?」別格の存在と全身から漂うオーラ……世界ラリー選手権で活躍する“爆速”GRヤリスをクルマライターが試乗レポート

AI要約

GRヤリスはヤリスのスポーツモデルで、WRC参戦の公認取得モデルだ。外観や内装にはプロドライバーの意見が反映され、高い走行性能が感じられる。

ワイドフェンダーやエッジの効いたデザイン、グラフィックメーターなど、スポーツカーらしい特徴が随所に見られる。

広いラゲッジスペースや快適なシートなど実用性も兼ね備えており、スポーツカーながらも日常使いに適している。

「トヨタのGRヤリスとは何者?」別格の存在と全身から漂うオーラ……世界ラリー選手権で活躍する“爆速”GRヤリスをクルマライターが試乗レポート

トヨタのコンパクトカーと言えばヤリス。取り回しよく、実用的なクルマなのだが、GRヤリスはなにかが違う。別格の存在と全身から漂うオーラ。さらに進化したGRヤリスとは何者なのか!?

スターレットのあとを受けて1999年に誕生したのがヴィッツ。21世紀を迎えるにふさわしい、欧州的なアカ抜けたデザインと高い実用性で、ヒットとなった。そして2020年に登場した4代目は欧州仕様の車名、ヤリスへと変更され現在に至る。そしてGRは「ガズーレーシング」の略で、GRスープラに続く第2弾がGRヤリスだ。GRとは本格スポーツモデルの証であり、GRヤリスは3ドアクーペで世界ラリー選手権(WRC)参戦のための公認取得モデル。戦うために生まれたハイパワースポーツだ。

ラリーを中心としたモータースポーツ参戦を想定して開発されているだけに、見た目からしてノーマルのヤリスとは完全なる別物。ワイドフェンダーからは重厚なイメージが強烈に漂う。

ベースのヤリスにはない3ドアクーペスタイル。大胆なプレスラインをもつリヤフェンダーは、フロント以上にエッジが効いていて、安定した走りを予感させるデザインだ。

プロドライバーとともに開発されたというだけに、まさに戦う現場。各操作系は運転席を囲むように配置されていて、コクピットと呼ぶにふさわしい。手を伸ばせば自然に操作ができ、最小限の目線移動で確認ができる。

GR専用のグラフィックメーターもプロドライバーの意見が盛り込まれ、スポーツ走行に必要な情報を中心に表示。肝心のタコメーターはヘルメットを被っていても見やすいように2パターンの表示が可能だ。

今回試乗したRZハイパフォーマンスはプレミアムスポーツシートとなる。ホールド性にこだわった形状はもちろん、静電気防止機能もプラス。走りを妨げる車体への帯電を減らすという。

3ドアのため後席への乗り降りは少し面倒だが、大人が4人乗れるのは貴重。シート自体の質やスペースに不満はない。

実用車のヤリスがベースだけに、ラゲッジは十分な容量が確保されているのはうれしい。開口部も広くて積み下ろしも楽にできる。

ラゲッジフロアを上げてみると……。前後重量配分適正化のために後方に置かれたバッテリーが姿を現す。隣にはインタークーラーを冷却するためのウォータースプレー用のリザーバータンクが鎮座している。