森永卓郎「老後の資金を投資で増やそうなんて、絶対に考えちゃダメ」ステージIVの膵臓がん。最期に本当のことをぶちまけようと決めて

AI要約

森永卓郎さんは2023年末にがんであることを公表し、現在も治療を受けながら仕事を続けている。治療費には毎月120万円以上かかり、自腹で支払っている。

40代後半からの忙しい仕事生活で節約し、資産を残していた森永さんは現在手持ちの株を売り払い、投資は危険だと警告している。アメリカの株式投資には特に危険性を感じており、金融業界との関係に縛られない発言を行っている。

最後には老後の資金を株式投資で増やすことは危険であり、持っている株はすぐに売却すべきだと提言している。

森永卓郎「老後の資金を投資で増やそうなんて、絶対に考えちゃダメ」ステージIVの膵臓がん。最期に本当のことをぶちまけようと決めて

経済アナリストとして長年活躍し、歯に衣着せぬ弁舌にファンの多い森永卓郎さん。2023年末にがんであることを公表したが、今も病気と闘いながら、使命感をもって仕事を続けている。現在の体調と、仕事への思いを聞いた(構成:山田真理 写真提供:森永さん)

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◆最後に本当のことをぶちまけて……

オプジーボはかつて非常に高価な薬だったのですが、数年前から原発不明がんに限って保険適用という扱いになりました。約80万円の3割負担ですから、1回二十数万円を毎月払っています。

さらに血液免疫療法は自由診療ですから、1回50万円弱かかっている。確定申告の医療費控除は年間200万円が限度なのですが、私はもう2月の段階で超えちゃった。

今はすべて自腹で、毎月120万円ずつ貯金がずるずると減っている状態です。

普通のサラリーマンだったらすぐに家計破綻したかもしれませんが、幸い私はフリーになった40代後半からめちゃくちゃに働いて稼いでいた時期があります。テレビやラジオのレギュラー17本、雑誌連載四十数本、大学の講義に毎月20本の講演。秒単位で予定が組まれ、自宅にはまったく戻れませんでした。

それでいて私は「ケチだぬき」とあだ名がつくくらい(笑)、お金にはシビア。都心にマンションを買うわけでもなく、高級車にもグルメにも興味がなく、資産はそれなりに残せていました。

さらに幸か不幸か、現在株式市場は空前のバブル。治療費のためだけではありませんが、私は最近、手持ちの株をすべて売り払いました。しょせんバブルの大儲けなので、自由診療という泡に帰すのも乙なもんじゃないかと思いましてね。(笑)

実は現在もう一冊、「投資はもうやめなさい」という内容で本を書いています。バブルというのは、必ずいつかはじけるもの。特にアメリカを中心とした株式をもとにした投資は、今後ものすごい危険があると私は考えています。

それは専門家もみんなわかっているけれど、金融業界を敵に回したくないから誰もが口をつぐんでいる。

私はもう先がないですし、最後に本当のことをぶちまけて死のうと決めているから正直に言ってしまいます。

特に老後の資金を投資で増やそうなんて、絶対に考えちゃダメ。持っている株も、今すぐ全部売るべきだと提言したいですね。