米株絶頂で退場迫られた弱気派コラノビッチ氏、相場予言は的中か

AI要約

ウォール街を驚かせた元JPモルガン・チェースのストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏が退社し、相場の変調を予言したことが注目されている。

コラノビッチ氏の退社後、S&P500種株価指数やナスダック100指数が急落し、市場の調整が進行中であることが示唆されている。

投資家やプロの間でコラノビッチ氏に関する話題が続いており、その退社が相場のピークの前触れである可能性が浮上している。

米株絶頂で退場迫られた弱気派コラノビッチ氏、相場予言は的中か

(ブルームバーグ): 米国株が突然襲われた急落から持ち直す中、ウォール街ではある人物が話題の的になっている。相場の変調を予言し、退社に追い込まれた元JPモルガン・チェースのストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏だ。

弱気派の代表格だったコラノビッチ氏が7月3日、19年勤務したJPモルガンを突如去ると、金融業界内では「相場が頂点に達する兆候ではないか」とのささやきが聞かれた。著名な弱気派はかねて、市場の熱狂のさなかで退職を促される傾向にあるためだ。ここにきてコラノビッチ氏の見解は正しかったことがますます裏付けられているように見える。少なくともトレーダーやストラテジストのソーシャルメディア投稿などを踏まえれば、ウォール街はそれに気づいている。

コラノビッチ氏の退社後5週間で、S&P500種株価指数は約5%下落。ナスダック100指数は10%余り値下がりし、テクニカル上の調整局面入りした。

ラウンドヒル・インベストメンツのデーブ・マッツァ最高経営責任者(CEO)は「相場の天井と底はプロセスの一環だが、コラノビッチ氏は実質的に株式、とりわけ超大型ハイテク株がまさに頂点をつけたタイミングで会社を去った」と指摘。退社から1カ月足らずだが、伝説になっていると語った。

S&P500種が約2年ぶりの大幅安となった5日、ソーシャルメディア、X(旧ツイッター)上では個人投資家からプロまでこの著名「予言者」に関する話題で持ちきりだった。

コラノヴィッチ氏に複数回にわたりコメントを求めたが、応じなかった。

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原題:Kolanovic Got Booted as Street’s Last Bear. Now He Looks Right(抜粋)

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