『「19種類のクスリを飲んでいたらカラダに異常が…」74歳女性が陥った薬漬けの《悲劇》、救ったのは「たったひとつのシンプルな方法」だった』

AI要約

クスリを惰性的に飲み続けていることで薬漬けになる問題を取り上げる。

生活習慣病の薬が増えやすく、複数の医師からの処方で重複が生じることもある。

例として、15種類もの薬を服用していた男性がクスリを減らすことで快方に向かったケースを紹介。

『「19種類のクスリを飲んでいたらカラダに異常が…」74歳女性が陥った薬漬けの《悲劇》、救ったのは「たったひとつのシンプルな方法」だった』

すでに飲む意味がなくなっているクスリを、惰性的に飲み続けている。どんどんクスリの種類が増えていき、気付けば十数種類もの「薬漬け」になっていた。そんな人は少なからずいるはずだ。

前編記事『あなたの不調は《薬漬け》から来ている可能性…副作用のせいでクスリが増える「処方カスケード」の罠にハマった人たち』では、16種類のクスリを服用していたせいで手足のむくみや腕のしびれに悩む75歳男性のケースを紹介した。

クスリを減らしたら見違えるほど元気になった人たち。その成功例を見ていこう。

さまざまなクスリの中でも、増えてしまいがちなのが生活習慣病のクスリだ。とくに降圧剤や高脂血症(脂質異常症)薬・抗血栓薬は、別々の病院で処方がかぶってしまい、知らず知らず増えていくことが珍しくない。

【ケース2】の85歳男性は、まさにその典型だ。この男性は酒こそ嗜む程度だが、還暦近くまで毎日20本を吸っていた元ヘビースモーカーで、脳出血で亡くなった家族もいたことから、高血圧を気にしている。また、変形性膝関節症による痛みがあり、便秘にも悩んでいた。

男性は普段、大学病院・総合病院・クリニックの3つの病院に通っていて、それぞれから4~6種類、合計15種類の処方を受けていた。

その結果、降圧剤が4種類、抗血栓薬が2種類、胃薬が4種類と、効き目が重複するクスリも増えてしまっていた。加齢で遠方の大学病院に行くのが難しくなったため、近くの別の病院へ通うことになり、クスリの増えすぎが発覚したというわけである。

男性自身も、クスリが増えすぎて管理が難しいと感じるようになっていた。それもそのはずで、実は男性が通っている3つの病院のうち、総合病院とクリニックはお互いが処方しているクスリの内容を知らなかった。これでは重複が生じてしまうのも、無理はない。

処方されていた中で注目するべきは、降圧剤のアダラートCRだ。カルブロックなどと同じカルシウム拮抗薬で、有名なクスリだが、便秘の副作用が出ることがある。そもそも、この男性の血圧は130/80で安定していたから、4種類も降圧剤を飲む必要がない。

最終的には、重複していたこのアダラートや、胃薬のムコスタ・セルベックスカプセル・ネキシウムカプセル、抗血栓薬のパナルジンなどを中止することになり、クスリを8種類にまで減らすことになった。便秘が改善してストレスが取り除かれ、男性は元気を取り戻すことができたという。

このケースのように、別々の病院から同じような効き目のクスリを出されていても、たいていの医者は気づかないし、気づいてもスルーしてしまうのだ。