キャサリン妃のがん公表が英国にもたらした影響。がん検診は2倍近くに。「最愛の義理の娘」と呼ぶチャールズ国王の対応は

AI要約

2024年3月、英王室のキャサリン皇太子妃ががん患者であると公表。フィードバックや批判、お見舞いの声が寄せられる中、王室の人手不足が問題化。

ヘンリー王子夫妻のお見舞いが反発を招く一方、過去の行動がストレス要因となった可能性も指摘される。

妃ががんを公表した日に注目。子どもへの説明にも気を使い、メディアで話題を呼ぶ。がん検診への関心も高まる。

キャサリン妃のがん公表が英国にもたらした影響。がん検診は2倍近くに。「最愛の義理の娘」と呼ぶチャールズ国王の対応は

2024年3月、英王室のキャサリン皇太子妃は、自身ががん患者であると発表した。それ以前にSNS上で臆測が広がっていたことを受け、一定の情報を明らかにして家族のプライバシーを守ろうとした妃には、同情と心配の声が寄せられている。チャールズ国王もがん闘病中であり、ヘンリー王子は王室を離脱……。国民から敬愛されたエリザベス女王が22年に死去して以降、王室は文字通り、人手不足に陥っている。このまま国民の王室離れは加速していくのだろうか。

キャサリン妃が闘病を公表した後、それまでの行動を揶揄していた人からは謝罪、世界中からお見舞いの言葉が送られた。弟のジェームズさんがインスタグラムに投稿した文章に、胸が熱くなったという声があがる一方で――

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◆ヘンリー王子夫妻は

一方で、物足りなく思えたのが、王室を離脱したヘンリー王子(39歳)とメーガンさん(42歳)のお見舞いだ。

「健康の回復と癒やしを穏やかななかで得られますように」というもので、「通りいっぺん」「穏やかに回復するには、二人の沈黙が一番」などと批判された。

二人は、インタビューや暴露本などで妃にかなりのストレスを与えたのではないかとの指摘もある。

たとえば王室離脱後の21年に出演したオプラ・ウィンフリー氏とのインタビュー番組だ。

ヘンリー王子とメーガンさんは18年に挙式。その衣装合わせの際、「結婚式でフラワーガールは王室の伝統として白いタイツを着用する」とキャサリン妃はメーガンさんに伝えたが、「堅苦しい」「子どもに必要ない」と否定され、泣いてしまった。

しかしインタビューではメーガンさんが、「泣かされたのは私のほう。王室は将来の皇太子妃を守るため私を悪者に仕立てた」と言ってのけた。

結婚前のヘンリー王子はキャサリン妃のことが大好きで、「理想の姉ができた」と喜んだものだった。

しかし結婚後に出した暴露本『スペア』では、「兄は型にはまった女性と結婚したが、自分は心で選んだ」と、まるで夫妻が愛情のうすい結婚をしたかのような印象を与え、皇太子夫妻を傷つけた。こうしたストレスは、がん罹患に無関係とは思えない、とイギリスのメディアは報じている。

妃が動画でがんを公表した3月22日。この日付にも注目が集まった。2分あまりの動画が流れたのは金曜日だが、翌日から3人の子どもの学校がイースター休暇に入るタイミングだった。

妃は、子どもたちが学校で不必要な質問を受けることがないように考慮したと言われている。子どもたちのため、3週間の休暇前夜にがんの罹患を発表したのだ。

妃は、子どもに自分のがんを説明するのに気を使ったとも話した。子どもは、自分がなにかをしたから、あるいはしなかったから親が病気になったと捉えることがある。

3人の子どもの年齢(当時)は10歳、8歳、5歳。それぞれの成長に合わせて、「ママは大丈夫」と安心するまで話して聞かせた。

子どもの初期教育やメンタルヘルスに日頃から力を入れていた妃である。細心の注意を払ったのだろう。

その後イギリスでは「自分のがんを、親は子どもにどう伝えるか」がメディアでたびたび特集された。がん検診に足を運ぶ人も2倍近くに増えた。