トランスジェンダーの“娘”を女子バレー部で活動させ停職10日…高校職員の処分めぐり全米で論議

AI要約

米フロリダ州の高校で、トランスジェンダーの娘を女子バレーボール部で活動させた学校職員が10日間の停職処分を受けた。

処分を決定した教育委員会は、女子スポーツ公平性関連法に違反したと判断し、免職の方針もあったが、多数決で処分を決定。

ジェシカさんは違法行為を否定し、娘の参加は「法律は法律」「処分は当然」という声と賛否が分かれる中、論議を呼んでいる。

トランスジェンダーの“娘”を女子バレー部で活動させ停職10日…高校職員の処分めぐり全米で論議

 米フロリダ州の高校で、学校職員がトランスジェンダーの娘(出生時に男性と割り当てられたが、自己認識は女性)を女子バレーボール部で活動させたとして、10日間の停職処分を受けた。

 7月30日、ブロワード郡教育委員会に処分されたのは、同州ココナッツクリークにあるモナーク高校の情報管理専門員、ジェシカ・ノートンさん(写真左=ロイター)。

 昨年11月、娘が女子バレーボール部で活動するのを止めなかったことが、フロリダ州法の「女子スポーツ公平性関連法」に違反したと告発されていた。

 この法律では「女子スポーツチームは出生証明書に記載された生徒の性別に基づいて編成されなければならない」と規定しており、トランスジェンダーの娘は参加できない。ジェシカさんが娘の参加は違反であることを知りながら止めなかったことが、違法行為に該当すると判断されたのだ。

 処分を決定した教育委員会の理事会は当初、ジェシカさんを免職する方針だったが、理事の1人が「これまで違法行為はなく、初めての違反で免職は厳しすぎる」と主張したため、理事9人による多数決の結果、5対4で今回の処分となった。

 処分に対し、ジェシカさんは「239日間にわたる調査と常に監視される状況が終わり、免職にならなかったことにホッとしました」とコメントした。

 その一方で、「私が、娘のチームへの参加を決めたわけではありません。学校職員としてではなく、母親として、娘の『女性として認められたい』『部活に参加したい』という気持ちをサポートしたのです」と主張。その上で「トランスジェンダーの娘の母親であることを罰せられたのです」と、理事会の判断を批判した。

「法律は法律」「処分は当然」と理事会の処分を支持する声がある一方で、人権団体やLGBTQ+の支援団体からは、ジェシカさんを擁護する声や、「女子スポーツの公平性に関する法」自体がトランスジェンダーへの差別だと批判する意見も出ており、論議を呼んでいる。