絵本作家・柴田ケイコ「作中の食事は息子が嫌いだったもの」 まるみキッチンとの対談で、子どもの好き嫌いを語る【「パンダのおさじ」18万部突破インタビュー】

AI要約

柴田ケイコさんとまるみキッチンさんが料理をテーマにした対談を行った。

柴田さんは「パンダのおさじ」というシリーズの作者で、料理中に絵本のアイデアを思いつくことがある。

まるみキッチンさんは料理家で、料理中のテンションの上がる瞬間やレシピ作りの工程について話をした。

柴田さんは絵本のアイデアが料理中に浮かぶこともあると話し、料理が実験のようで描き直しもあると明かした。

一方、まるみキッチンさんは試作を兼ねた料理の創作プロセスを説明し、レンチン料理の調理中に味がわからない緊張感を共感した。

料理と絵本制作における試行錯誤や創作過程についての共通点を見つけ、料理とアイデアの実験性を楽しむ2人の対談が展開された。

絵本作家・柴田ケイコ「作中の食事は息子が嫌いだったもの」 まるみキッチンとの対談で、子どもの好き嫌いを語る【「パンダのおさじ」18万部突破インタビュー】

 絵本「パンダのおさじ」(ポプラ社)シリーズの作者である柴田ケイコさんと、レシピ本『やる気1%ごはん』(KADOKAWA)の著者であり、料理家のまるみキッチンさん。「パンダのおさじ」シリーズ18万部突破記念として、料理を表現するという共通点を持つ2人が対談しました。

 柴田さんによるシリーズ第2弾は、子どもの食べず嫌いをテーマの一つとした『パンダのおさじとふりかけパンダ』。いっぽう、4歳と2歳のお子さんを育てるまるみキッチンさんは、お子さんの食べず嫌いの真っ最中…。子どもに食事を楽しんでもらうための工夫や、親の“やる気がない”ときの対策などの話で盛り上がりました。

――今回は柴田さんから、まるみキッチンさんに対談の依頼をされたそうですね。

柴田ケイコさん(以下、柴田):「パンダのおさじ」シリーズが料理関係のお話なのと、私自身が食べることがすごく好きで、でも料理が得意じゃないんです。まるみキッチンさんのように、おいしいものをストレスなく簡単に作れるなんて素晴らしいじゃないですか。料理家さんへの憧れもあるんです。

まるみキッチンさん(以下、まるみ):嬉しいです。ありがとうございます。

柴田:私、絵本のアイデアが料理中に浮かぶことも多いんですよ。

まるみ:無心で料理をしている間って、すごく集中力が上がると聞いたことがありますね。

柴田:シリーズ1冊目の『パンダのおさじとフライパンダ』には、まさしく料理中に思い浮かんだ場面があるんです。料理をしているときに、ワーッとフライパンから小さいパンダが出てきたら面白いなと思って。料理ができて、フタをあけた瞬間って、すごくいいじゃないですか。

まるみ:テンションが上がりますよね。

柴田:上がりますよね? そのときにパッとアイデアが浮かんで…。料理にもいろいろな工程があると思いますけど、一番テンションが上がるのはどんな瞬間ですか?

まるみ:それこそ、お鍋や炊飯器のフタをあける瞬間とか。レンチンもよく使うので、レンジをあけるときもテンションが上がります。

――フタをあけたときの感動と喜びがありそうですね。絵本は描き直す過程があると思いますが、料理も何度か試作をするんですか?

まるみ:僕の場合は作りながら味を調整するので、割と考えついたまんま、レシピになるんですよ。撮影と試作を兼ねている感じで。もちろん、“いけるやろ”と思っていたら、うまくいかんかった、ってこともありますけど(笑)。絵本も描き直すことがあるんですか?

柴田:ありますあります。フライパンからパンダが出てくるシーンもそうでしたけど、私は絵から思いつくことが多いので、絵はいいのにストーリーが繋がらないとか、考えてみたけどやっぱり違う、ということがあって。描き直しもあるし、編集者さんと話して変えるときもあるし、その繰り返しですね。それで、どんどん削り落としていく。

まるみ:料理も同じですね。思っていた通りにならないこともあるので。

柴田:けど、面白いですよね。料理って、実験みたいで。

まるみ:ほんとに、理科の実験みたいです。レンチンの簡単レシピなんかだと、食材と調味料を全部あわせてからレンジのボタンを押すんですけど、途中で味見ができないから、完成するまで味がわからないんですよ。“うまくいくんかな?”とドキドキしながら待っています。