HIMARIさん13歳、来春ベルリン・フィルデビュー 「バイオリンがない生活なんて考えられない」

AI要約

13歳の日本人バイオリニストが世界の注目を集めている。来春、世界最高峰のオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団でのデビューが決まったHIMARIさんのストーリー。

バイオリンの申し子が、米名門音楽大のカーティス音楽院で学び、ベルリン・フィルの定期演奏会にソリストとして登場する異例の13歳のデビューについての事実。

指揮者、ズービン・メータのタクトで、ヴィエニャフスキのバイオリン協奏曲第1番を弾くHIMARIさんの練習の地獄や音楽的な要素についてのエピソード。

弓を持つ細い右腕がよくしなり、冗舌にメロディーを奏でる。弦を押さえる左手の指はどんな素早いパッセージも完璧な音程でとらえる。今、13歳の日本人バイオリニストが世界の注目を集めている。来春、世界最高峰のオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団でのデビューも決まったHIMARIさんだ。米名門音楽大のカーティス音楽院で学ぶ。「バイオリンがない生活なんて考えられない」。そう言い切るバイオリンの申し子に話を聞いた。

来年3月、ベルリン・フィルの定期演奏会にソリストとして登場する。13歳でのベルリン・フィルデビューは異例のこと。今年4月に発表されると世界中のクラシックファンを驚かせた。

「いつか共演したいと思っていました。でも、あと40年ぐらいはかかると思ってた。夢がかなっちゃった」と笑顔を見せた。7歳のころ、来日したベルリン・フィルのリハーサルを見学する機会があり、「あまりにも壮大だった」と魅了されて以来の夢だった。

指揮者、ズービン・メータのタクトで、天才バイオリニストでもあった作曲家、ヴィエニャフスキのバイオリン協奏曲第1番を弾く。超絶技巧が要所要所にちりばめられた一曲だ。「テクニックだけではなくて、音楽的な要素もある曲だからすごく良いなと思って。弾いていて楽しいんです。でも練習は地獄といっていい。手もすごく痛くなる」と言いながら両手を合わせて左右の指の長さを比べると、音程をつくる弦を押さえる左手の指は、弓を持つ右手の指より1センチ近く長かった。「伸びてるんですよ。すごくないですか」

3歳からバイオリンを始め、6歳でプロのオーケストラと共演、常に天才バイオリニストとして注目されてきた。2022年には米フィラデルフィアの名門、カーティス音楽院に最年少で合格。小学5年生の秋に渡米を決断したのは、音楽院で教えるアイダ・カヴァフィアンさんとの出会いがあったからだ。小澤征爾や武満徹とも親交のあった著名バイオリニストだ。

「最初に『もう技巧的なことは足りている』と言われました。それから曲の音楽的な解釈を勉強しています。それまではバリバリ弾いているのが好きだったけど、カーティスに行って、音楽的であることの大切さに気付きました」