親が大地主なら将来安心?相続税55%の可能性も…不動産鑑定士が教える、土地を受け継ぐときの注意点

AI要約

不動産情報の差が圧倒的な不動産鑑定士とYouTuberが書いた『悪魔の不動産鑑定』から、「俺の親父が大地主」について紹介。

地主とは、土地の所有者で地代収入を得ている人を指し、昔から資産家やお金持ちといったイメージがあるが、土地の格差が存在し、実際はさまざま。

相続税により、大地主でも土地の価値が高いため相続税が莫大になり、相続税対策をする必要があり、一部では土地を売却して相続税を支払うケースもある。

親が大地主なら将来安心?相続税55%の可能性も…不動産鑑定士が教える、土地を受け継ぐときの注意点

プロと一般人では持っている情報量の差が圧倒的な不動産情報。国家資格である不動産鑑定士の資格を持つ泰道征憲さんと、同じく資格保有者でYouTuberとしても活躍する中瀬桃太郎さんが書いた、不動産リテラシーが分かる『悪魔の不動産鑑定』。身近な不動産問題がいかに「怪しく」、一方でいかに「魅力的」なのか…。今回は本書より、「俺の親父が大地主」についてご紹介します。

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◆俺の親父が大地主

皆さんは「地主」と聞けば、どのような印象をお持ちでしょうか。資産家、お金持ちといったイメージでしょうか。

地主とは、土地の所有者のことを指しますが、一般的には所有する土地を貸し出して地代収入を得ている人のことを言います。

歴史を紐解けば、奈良時代の「墾田永年私財法」(農民が開拓した土地に、永久に所有を許可するという法令)に始まり、明治時代の地租改正をきっかけに「寄生地主」(地主が所有地を小作農民に貸し付け,小作料を徴収する農業経営形態)が進展しました。

このような歴史の中で現代においては、地主=資産家、お金持ちといったイメージが定着しています。ただし、土地にはやはり格(=価値)の差が存在するので、実際はピンキリと言ってもよいでしょう。

◆土地の相続税は高額になるケースも

よく、3代で資産がなくなるなんてことを耳にします。初代が築いた財を苦労知らずの2代目3代目が使い果たすといった一種の教えですが、現代の地主においてもそれは当てはまります。

主な要因は相続税です。相続税の税率は一定ではなく、遺産の金額に応じて高くなる、いわゆる「累進課税制度」であり、その最高税率はなんと55%!(遺産金額6億円超)控除額はありますが、6億円を超える規模の相続を繰り返すと、単純に半分ずつ資産が減っていきます。

とくに大地主の場合、持っている土地も高額となるため、億単位の相続税を支払うこともあります。その際、潤沢な現金資産がないと相続税を支払うことができないので、泣く泣く土地を売り払い、売ったお金で相続税を支払うといったケースも少なくありません。

ですので、大地主は相続税対策をするわけです。所有している土地にアパートを建てたり、生前贈与をしたり、養子縁組をしたりなどなど。

また、地主は不動産業界で働いていないと、なかなかお目にかかれません。そんな謎めいた地主について、ここで小耳に挟んだ地主のとんでもない事例をご紹介します。