片岡凛、SNSのバズからついに朝ドラ初出演へ 『虎に翼』“地獄”を行く美佐江役で叶えた夢

AI要約

新潟に異動してからなかなか慣れない日々を過ごしていた寅子。徐々に“自分らしさ”を取り戻してきた彼女が、三条市の大地主の娘・美佐江と出会い親しくなっていく。

片岡凛が演じる美佐江は、高校3年生で東京の大学入学を目指している。彼女は周りの偏見や困難な環境の中で自らの夢を追い求めている姿が描かれる。

寅子と美佐江の関係が深まる中、片岡凛が演じる繊細な一面を持つ少女・ひなを通じて、新たな展開が予想される。

片岡凛、SNSのバズからついに朝ドラ初出演へ 『虎に翼』“地獄”を行く美佐江役で叶えた夢

 新潟に異動してからなかなか慣れない日々を過ごしていたが、徐々に“自分らしさ”を取り戻してきた寅子(伊藤沙莉)。そんなNHK連続テレビ小説『虎に翼』の7月22日から始まる第17週に、森口美佐江役で片岡凛が登場する。

 美佐江は、三条市の大地主・森口(俵木藤汰)の高校3年生の娘。東京の大学入学を目指して、涼子(桜井ユキ)と玉(羽瀬川なぎ)が開いている喫茶「ライトハウス」で玉から英語を習っている。志望は法学部ということもあり、寅子と出会い親しくなっていく。

 美佐江を演じる片岡は、幼い頃から女優を目指していたそうだが、その“夢の叶えかた”がとても現代的。とにかく女優になりたいという気持ちから、自分の名前を知ってもらえるようにとSNSを始め、それをきっかけに事務所に所属している(※)。そして、『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(2022年/TBS系)でドラマデビュー。ドラマ初出演にして、大の大人に掴みかかるなど、あまり人を信用せず、やさぐれた態度をとる一方、石子(有村架純)と羽男(中村倫也)たちの前で、静かに涙を流す繊細な一面を持つ少女・ひなを堂々と演じた。その後、『ボーイフレンド降臨!』(2022年/テレビ朝日系)で連続ドラマに初めてレギュラー出演。『いちばんすきな花』(2023年/フジテレビ系)で多部未華子が演じたゆくえの高校時代を演じるなど、単話ゲストでも重要な役柄で様々なドラマに出演している。

 インタビューで「今の時代、SNSはとても重要なツール」と語る片岡はやはり、SNSが面白く、特に自身の公式X(旧Twitter)のポストは定期的にバズっている。(※)最近では、「連絡先が家族以外7人って『お爺ちゃんのスマホみたい』と笑われます。田中さんはその中で唯一女優で繋がって頂いてる大先輩です」と、所属事務所の先輩でもある田中みな実とのツーショットを投稿し、話題となった。その公式Xでは6月中旬に、「一度だけ同級生に進学せず女優になって朝ドラに出ようと思ってると言ったら、数人に後々まで酷く笑われた事を思い出した。今日朝ドラの撮影してて思った、人の夢や思いって笑わず見守るべきなんだなって」というポストが。

 ここから片岡が大きな夢の一つであった朝ドラへの出演を叶えたことが窺い知れるが、この時点では出演発表前だったこともあり、いつ、どんな役柄で出演するのかは分かっていなかった。だが、ついに「一部で私が朝ドラ詐欺を働く筋金入りのとんだいっぱい食わせ物になってましたが、来週『17週』からです」と“朝ドラ出演”の告知がなされた。短いポストの中に「朝ドラ詐欺」「筋金入りの食わせ物」とパワーワードがちりばめられているのがなんとも彼女らしい。

 美佐江の父の森口は、書記官である高瀬(望月歩)の亡くなった兄のことをよく知り、気弱な高瀬と比較しては“良かれと思って”活を入れていた人物。寅子に言わせれば、高瀬を「確実に傷つけて、心にできたかさぶたを、ことあるごとに悪気なく、剥がしていくような人」である。次郎(田口浩正)は、兄のことを言われて激昂してしまった高瀬に「大人なんだから」というようなことを言った。こうした大人たちに囲まれているような環境で育っている美佐江は、もしかしたら「大学に行きたい」と周りに言っただけで「女なのに」と返されているかもしれない。これは、寅子や涼子が学生の時に経験してきた“地獄”でもある。戦争や憲法が変わるという大きな経験をしても人の意識というのはすぐには変わらないし、“地獄”も残ってしまう。でも、美佐江が玉のもとで勉強しているということは、その“地獄”を切り抜けてでも学びたいことがあるということだろう。

 かつて、後輩の女性の女性司法修習生たちに自分目線での“自分語り”をして、励ましたような気になっていた寅子。美佐江の姿を見て、寅子はどんな言葉をかけるのだろうか。逆に、美佐江は寅子にどのような影響を与えていくのだろう。片岡が見せる演技とともに注目していきたい。

参考

※ https://realsound.jp/movie/2022/08/post-1114191.html