まるで竹田城! 本当は教えたくない「穴場の絶景山城」実踏登山レポ
兵庫県丹波市にある岩尾城跡(蛇山)は、戦国時代の城跡であり、眺望も抜群の穴場スポットです。
岩尾城は和田斉頼によって築かれ、明智光秀の丹波攻めによって落城し、豊臣秀吉の命令で廃城となりました。
登山道は親縁寺登山口や和田小学校登山口からアクセスでき、尾根まで続く歩きやすい道となっています。
兵庫県丹波市のとあるところに絶景の山城がある。
ここは観光地化される前の「天空の城 竹田城」を彷彿とさせる戦国時代の城跡。眺望も抜群で、さながらミニ竹田城といった雰囲気である。
今のところあまり知られておらず、訪れる人も少ない。そのため、まるで竹田城を独り占めしているような気分に浸れる穴場スポットなのだ。あまり人気になると独り占めできなくなるので教えたくないのだが、今回は特別に紹介しよう。
ミニ竹田城みたいな城跡とは、兵庫県丹波市の蛇山(へびやま・標高358m)山頂にある、岩尾城跡のことである。
岩尾城は、丹波の国人 和田斉頼(ときより)が築城した戦国時代の山城。安土桃山時代に明智光秀の丹波攻めで落城し、その18年後に豊臣秀吉の命令で廃城となった。
なお、標高300m付近には当時の井戸が残っている。この井戸は、山頂と60m弱しか標高差がないのに、いまだに水が湧いているのだから不思議だ。
岩尾城跡(蛇山)
住所:〒669-3163 兵庫県丹波市山南町小野尻
蛇山に登る登山道は3つある。和田下町登山口コースは、距離が長い。お手軽なのは、親縁寺(しんねんじ)登山口コースと和田小学校登山口コース。入口は違うが、途中で合流し1本になる。
和田小学校登山口は、小学校の中を通らなければ登山口にたどりつけない。そのため、訪れる際は小学校へ事前連絡が必要だ。
今回筆者が選んだのは親縁寺登山口。親縁寺は岩尾城と関連があるらしいが、撮影禁止なので注意しよう。
親縁寺(親縁寺登山口)
住所:〒669-3157 兵庫県丹波市山南町和田1258
親縁寺登山口は、親縁寺裏手の墓地にある。登山口へ入るとすぐに獣除けゲートがある。ゲートを抜けて右側に2基の墓があり、その裏が登山道だ。ここからシダが多い杉林を一気に尾根まで登る。尾根道は歩きやすく、道標も多い。歩いて5分おきくらいの間隔で、景色のよい休憩スポットもある。登山道には城跡の解説もあり、なかなか興味深い。
南曲輪(みなみくるわ)まで来ると、真正面に岩尾城跡が現れる。その様子はまさにミニ竹田城。雲海の季節に向かいの石金山(いしがねさん・標高508m)から望遠レンズで岩尾城跡を狙えば、ラピュタみたいな写真が撮れるだろう。
なお曲輪(くるわ)とは、団地の分譲地のような城の平たい部分をいい、安土桃山時代以降は、「○○丸」という呼ばれ方もする。