観光客、フィレンツェの神像相手にわいせつ行為のまね 批判相次ぐ

AI要約

イタリア・フィレンツェで、ローマ神話のぶどう酒と豊穣の神「バッカス」の像に女性観光客がわいせつ行為をする写真がソーシャルメディア上で拡散され、怒りを呼んでいる。

現地の文化遺産団体や市当局は、このような行為に対して厳しい措置をとる必要があると主張している。

フィレンツェを含む多くの観光地では、過剰な観光客を受け入れることによる問題が顕在化しており、対策が求められている。

観光客、フィレンツェの神像相手にわいせつ行為のまね 批判相次ぐ

イタリア・フィレンツェで、ローマ神話のぶどう酒と豊穣の神「バッカス」の像に女性観光客が体を接触させ、わいせつ行為をまねている写真が浮上した。怒りの声が同国で沸き起こっている。

写真はソーシャルメディアの「Welcome To Florence(フィレンツェにようこそ)」という人気アカウントに投稿された。同じ女性が夜間、等身大のバッカス像にキスをしている場面もある。

バッカス像は、観光名所としても有名なヴェッキオ橋に近い街角で、台座の上に立っている。彫刻家ジャンボローニャによる16世紀の作品のレプリカで、オリジナルは近くのバルジェッロ美術館に収蔵されている。

ソーシャルメディアではこの写真に大勢が怒り、この女性の逮捕を求める声も上がっている。

「長年にわたり、フィレンツェをディズニーランドにしようとしてきた結果だ」という意見も出ている。

イタリアの文化遺産を周知する団体「Confcultura」のパトリツィア・アスプローニ会長は、こうした「無礼で野蛮な行為が繰り返される」のは、「誰もが何のおとがめもなく自分のしたいことをする権利があると感じているからだ」と、イタリアのメディアに話した。

また、悪質な行動には「厳しい検査、超高額の罰金、容赦ゼロ」で臨む「シンガポール・モデル」の適用が必要だとした。

フィレンツェの考古学資料・美術品の管理責任者アントネッラ・リナルディ氏は、「観光客は歓迎だが、私たちの芸術作品に敬意を払ってもらわなくてはならない。それがオリジナルでもレプリカでもだ」と話した。

そして、「ただし、私が非難しているこの女性が、(オリジナルとレプリカの)違いを知っているかさえ疑わしいが」と付け加えた。

フィレンツェは世界有数の観光地。人口は38万2000人だが、同市を訪れた人は昨年6~9月だけで約150万人に上った。

地元の住民らは長年、すさまじい人数の観光客に苦慮している。夏には狭い通りを人々がひっきりなしに行き交う。

こうした「オーバーツーリズム」現象を受け、世界のいくつかの都市は観光客の迎え方を変えている。

スペイン・バルセロナの市長は先月、観光客向けの短期宿泊施設を5年以内になくすと宣言した。イタリア・ヴェネチアや日本の富士山といった人気スポットは、訪問者数を制限しようと、1日ごとの入場料(入山料)の導入を始めた。

(英語記事 Lewd tourist antics on Florence statue lead to outrage)