本名を知られるとカスハラにつながる? 「ローソン」の対策と反応は…名札を廃止しない理由も聞いた

AI要約

企業が顧客からのカスタマーハラスメント対策として、スタッフの実名表記に変化が生じている背景や経緯を取材した。

バスやコンビニ業界での実名表記からイニシャル表記への変化や、プライバシー確保と愛着促進の観点からの導入背景を検証した。

ローソンの名札表示内容の見直しについて、偽名使用の問題から実名表記と任意表記の併用への変化に至る経緯と理由を明らかにした。

本名を知られるとカスハラにつながる? 「ローソン」の対策と反応は…名札を廃止しない理由も聞いた

近年問題になっている、顧客による迷惑行為「カスタマーハラスメント」。厚生労働省も「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を策定するなど、企業側の対応も急がれています。

そのなかで注目を集めているのが、スタッフ・社員の実名表記。今年6月から導入したコンビニ大手の「株式会社ローソン(本社:東京都品川区)」も名札についての規定を変化。その経緯と反応を取材しました。

名札を通じて名前を公表することはカスタマーハラスメントだけでなく、実名登録を条件としたFacebookをはじめとするSNSで個人情報を探られるなど、ストーカー行為につながる危険性もはらんでいます。フリーランス、作家、芸術家であれば、自身の活動名を選ぶことができますが、企業や店で従事する場合はそうはいきません。

2023年8月1日に、旅客自動車運送事業運輸規則の一部が改正され、バス・タクシー・自家用有償旅客運送において、車内での乗務員等の氏名などの掲示義務は廃止に。これを踏まえ「京王バス」では、4月1日から現在の「本名」表示に加え、乗務員自身考案の「ビジネスネーム」を導入し、乗務員自身の任意に。乗務員のプライバシー確保とともに、顧客側から企業グループへより愛着を持ってもらうためとしています。 そして、大手コーヒーチェーン「タリーズコーヒー」も2023年5月から、実名だった名札の表記をイニシャル表記へ変更するなど、「実名表記」についての変化が増えてきました。

今年初頭に、あるローソンの店舗で偽名とわかる名札をつけているのがSNSで話題となり、本社に問い合わせた際は店長の裁量で行っていたため、本社としてのコメントが難しいとのことでした。が、6月4日から、店舗スタッフが着用する名札の表示内容の見直しが行われ、それまでの実名表記に加え、アルファベットによる任意の文字やイニシャルでの表記が可能に。広報担当者にその理由などを聞きました。