妻が会話しなくなるのは、夫の何気ない言動が原因だった!? 夫婦仲を取り戻す「言いかえ」のコツ

AI要約

20年以上連れ添った夫婦が離婚する「熟年離婚」が増加しており、夫婦間のコミュニケーションの不足が主な原因とされている。

夫の言動や言葉遣いが離婚原因となることもあり、その改善方法として相手を責めず協力する姿勢が大切である。

書籍『お父さんのための言いかえ図鑑』では具体的な言い換え方が紹介されており、夫婦関係を改善する手助けとなる。

妻が会話しなくなるのは、夫の何気ない言動が原因だった!? 夫婦仲を取り戻す「言いかえ」のコツ

文/鈴木拓也

20年以上連れ添った夫婦が離婚する、いわゆる「熟年離婚」が増えている。

厚労省の調査では、2020年には全離婚件数に占める熟年離婚の割合は5組に1組と、過去最高の割合に及んだという。

増えた理由として、女性の社会進出など複数の要因が背景にあるが、見過ごせないのは夫婦間のコミュニケーションのまずさが発端となるものだ。

ひところ、「夫源病」という言葉が流行したが、夫の言動が潜在的な離婚原因となる事例は少なくない。夫の言い分もあろうが、言葉づかいの配慮のあるなしが、夫婦関係を左右するのは間違いない。

その「配慮」のコツを、書籍『お父さんのための言いかえ図鑑 家族関係がすっきりポジティブに変わる』(笠間書院)にまとめたのは、一般社団法人 日本メンタルアップ支援機構の代表理事、大野萌子さんだ。

大野さんは本書の冒頭で、夫婦でも「言葉にしなければわかりあえない」という認識は大前提と語る。

そこを疎かにしてしまいがちな男性諸氏には痛い話だが、今からでもリカバリーするのは遅くはない。そのコツをいくつか紹介しよう。

本書は、夫の問題発言を、どう言いかえればいいのか、具体的に指南する構成となっている。

例えば、

<妻:あ、エコバッグ持ってくるのを忘れた!!

夫:お前、いつも忘れ物ばっかりしてるよね。うっかりしすぎじゃないの。

(本書32pより)>

こうした言い方に心当たりがあるのなら要注意。というか、すぐに改めた方がいい。この「いつも〇〇だ」表現は、「相手のすべてを否定するような印象」を与えてしまう、最悪のネガティブワードだからだ。

では、どう言えば好ましいのか。大野さんは、以下のようにアドバイスする。

<「次は忘れないように、買い物に出るときには声かけるね」など、相手を責めるのではなく、自分も協力するよという姿勢を見せることで、同じように忘れ物を指摘しても、印象はがらりと違ってきますよね。(本書35pより)>

夫としては、忘れ物の多さが気になっていて、それを改善してほしいとの思いがあるはず。ならば、なじるような口調でなく、どうすれば忘れ物を減らせるかを一緒に考える姿勢が大事になる。この場合、「声かけるね」という提案によって、妻の側も素直に聞き入れる気持ちになるわけだ。